じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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2010年版・岡山大学構内でお花見(54)センダンの花 この時期にいっせいに開花し、秋には黄金色の実をつける。ウィキペディアの当該項目によれば、南方熊楠が死の直前に「紫の花が見える」と言ったのはセンダンのことだと言われているそうだ。 センダンの花や実の写真は何度も掲載しているが、いちばん新しいものとしては、「センダンの大宇宙」という写真がある。(今年の1月23日の日記参照。) |
【思ったこと】 _a0601(火)[心理]2010年 人間・植物関係学会 10周年記念大会(8)大会2日目(2)松尾・前会長による講演(1) ポスター発表に引き続き、松尾英輔氏(人間植物関係学会前会長)と、高江洲義英氏(沖縄・いずみ病院理事長)による講演が行われた。 このうち松尾氏の演題は 人間・植物関係学の成立と発展〜あたりまえの関係を科学する〜 というものであり、10周年記念大会にふさわしい内容であった。 講演ではまず、「当たり前」ということについて、波平恵美子氏の 当たり前のことについては、それが当たり前だからこそ関心も持たず記録も残しません。しかし文化というものはそうした当たり前のことで成り立っています。という『生きる力をさがす旅―子ども世界の文化人類学』(2001)が引用された(←あくまで、当日配付資料からの孫引きによる)。そして、人間と植物の関係も当たり前のように思われているふしがあるが、今や地球環境規模で植物との関わりを研究しなければならない時代になっているということが強調された。 では、人間・植物関係学とはどのようなものか。これについては学会ホームページの中でも次のように位置づけられている。 人間と植物とのかかわりはきわめて日常的なものであるがゆえに、空気の存在と同じように当たり前のこととしてとらえられ、植物と人間がどのようにかかわり、それがどのように私たちの暮らしに貢献してきたかすらも、考慮されてこなかったきらいがあることは否定できません。また、今回の松尾氏の講演では、
この「かかわり」という視点は、けっきょくのところ、外界との関わりを重視した行動随伴性の枠組みにも共通しているようにも見える。但し、行動随伴性概念の場合にはあくまで、オペラント行動を自発する側が主体となる。上述の「関わり」は双方向であり、人間の側からの一方的な視点ではない。実際のところ、人類が滅びても植物は生き延びるかもしれないし、人の手を介さなくても勝手に育っていく存在でもある。今の世の中では、「勝手に育つ」ことにはゆだねられないほどに人間の影響力が大きくなっているけれど...。 次回に続く。 |