じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 10月15日の日記で、旧・京山ロープウェー公園に太陽光発電パネルが設置されたという話題を取り上げたが、10月20日の夜、そのあたりがライトアップ?(もしくは試験的な運用)されているのが見えた。なお、この照明は、夜半前には消えていた。

 ネットで検索したところこちらに関連記事があることが分かった。以下、一部引用。
...太陽光パネル3枚からなる発電機は高さ5メートル以上、幅約11・5メートル、奥行き約7・5メートル。レンズで自然の太陽光を集め、最大500倍程度に光の強度を強めて発電する「集光式」で、太陽の位置によってパネルの向きや角度も変化させる。

 実験では、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)と、米国の研究機関「国立再生可能エネルギー研究所」が協力。米コロラド州にも同じ発電機2基を設置し、気候の違いが発電性能に与える影響などを比較し、最大5年間をかけて発電効率のいい太陽光発電の設計を探る。

 両備HDは、太陽光で発電された電気を利用し、遊園地の展望台だった建物を工場として野菜を栽培する。収穫されたらグループのスーパーで販売する計画もある。
 未だよく分からないのは、太陽光発電と野菜栽培との関連である。単に、促成栽培をするならばビニールハウスのほうが効率的なはず。太陽光発電で蓄積された電気を夜間照明に使って、24時間照明のもとで野菜を育てるということなのだろうか。それとも冬季の暖房目的か?

10月20日(水)

【思ったこと】
_a1020(水)日本心理学会第74回大会(27)自然環境と心理学(6)校庭の芝生化と児童への影響(1)

 話題提供の2番目は、

●校庭の芝生化と児童への影響

というタイトルであった。

 話題提供ではまず、今の子どもたちの「遊び仲間」、「遊び空間」、「遊び時間」が減少しているという問題が指摘された。その原因としては、少子化、習い事の増加(1996年には週平均1.6日だったものが、2007年には2.5日に増加)、空き地や遊び場が減少していることなどが挙げられる。また、遊び場が室内中心となり、11歳の男女児童で昭和50年度と平成17年度のデータを比較すると、身長や体重の増加が見られるいっぽう、50m走やソフトボール投げなどの運動能力は低下が見られている。さらに、児童における心身の健康が危機的状況に陥っている証拠として、睡眠時間の不適切さ、3.5%が鬱病、突発的な暴力行動が増加といったデータが挙げられた。そのような現状への対策の一環として、校庭の芝生化が提案されているという。学校は、子どもたちが一番長く時間を過ごす場であり、そこでの遊びを通して様々な能力が育成されるという点で、芝生化の効用が期待されており、また、文科省からも屋外教育環境設備の整備充実の方針が打ち出されており、その事業の一環として校庭の芝張りを行う学校数が累積的に増加しているとのことであった。

 校庭を芝生化することによって考えられる効果としては、まず、気温上昇抑制、砂塵の飛散防止、土砂流出防止といった環境上の効果が上げられる。これはそのまま環境教育にも利用できる。さらには、むき出しの地面やコンクリートに比べると、活動の安全性、多様なスポーツの可能性が高められることに加えて、芝地という遊び空間が確保されることで、運動量の増加とストレス低減がはかられ、心身の健康を促進する効果が期待できるということであった。

 以上拝聴した部分はあくまで前置きということであったが、「子どもたちの危機的状況」から「芝生化の効用」を説くというプロセスに相当の論理的飛躍がある点は否めなかった。このことは指定討論者やフロアからの感想としても指摘されたことであった。

 もし、子どもたちの心身の健康を促進するということを最終目的とするのであれば、芝生化以外にもいろいろな手段はあるはずだ。例えば、グラウンドでの多様なスポーツの奨励、スポーツ大会実施という形でも運動能力の向上は図れる。この場合、自然の芝地ではなくて人工芝でもよいとか、体育館でもいいじゃないかといった議論もなりたつ。

 自然体験を豊富にさせるというのであれば、近隣の里山見学の回数を増やすことでもよい。室内での遊びが一概に悪いとも言えないであろう。

 さらに、校庭を自然豊かな環境にするというのが目的であれば、菜園を増やすとか、芝生ではなく、その土地にあった雑草を削り取らずに生育させ、背丈が伸びすぎた時にはヤギに食わせるということだって可能であろう。

 ということで、話題提供からは「子どもが危機的な状況に置かれている中では校庭の芝生化が急務である」みたいな宣伝をしているという印象を受けてしまったが、「校庭は、むき出しの土よりも芝生化したほうが、これだけの利点がある」という程度の控えめな提案にしておいたほうが、かえって説得効果があったのではないかと感じた。

次回に続く。