じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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夕日に輝く田んぼと京山・太陽光発電パネル

 10月27日の岡山は、最低気温が8.2℃まで下がり、この秋一番の寒さとなった。最高気温も14.7℃どまり。写真は、夕日に輝く稲刈り途中の田んぼと京山の太陽光発電パネル。次世代型の集光型太陽光発電システムと言われており、レンズのようなもので太陽光を集めてから発電するらしい。そのため、夕日の角度によっては、このように輝くことがある。

10月27日(水)

【思ったこと】
_a1027(水)日本心理学会第74回大会(34)ことばと社会:心理学的アプローチの可能性と問題点(2)コミュニケーション様式の文化差(1)

 話題提供の1番目は、コミュニケーション様式の文化差に関する内容であったが、昨日の日記でも述べたように、迂闊にも20分ほど遅刻しており、入室した時にはすでに発表が始まってしまっていた。

 入室した時にスライドに映し出されていたのは、「41%の人が一日一回以上「愛している」と言われたいけれど、29%が一回も言わない」という説明書きのついた洋風の漫画と、サザエさんの両親(磯野波平・フネ)および「伊右衛門」のCM風景が対比されていた。察するに、アメリカの夫婦は離婚しない限りは毎日頻繁に「I love you」を発するが、長年連れ添った夫婦の象徴である波平・フネ夫婦の間では、たぶん「愛している」とは一言も言わない。このあたりに文化差があるというような趣旨でないかと思う。ちなみに私は民放番組をほとんど視ないこともあって、「伊右衛門」のCMは全く知らなかった。「いうえもん」で変換しても漢字が出ないので変だなあと思ったら「いえもん」だったと気づいたくらいで、名前の読み方さえ知らず、当然、どこのメーカーの何の商品の宣伝なのかも全く分からない。

 とにかく、夫婦関係においては、
  • 毎日お互いに話し合う。日常的な活動や心配事や気持ちについてお互いに話し合う。片方が落ち込んで帰ってくるとそれについても話す。人生で良いことや悪いことが起こった時はいつも話をする。
  • お互いに多くを話さない。しかし、言葉にしなくても相手の様子から気持ちを察することができるように、お互いのことや相手のおかれた状況を常によく見ている。片方が落ち込んで帰ってくると、話さなくてもそれに気づく。人生で良いことや悪いことが起こった時はいつでも、言葉にしなくてもお互いに相手のことを理解する。
という2つのタイプがあり、前者は低コンテクスト、後者は高コンテクストのコミュニケーション様式と呼ばれる。低コンテクストでは、言語的なサポートを要請し、明示的なコミュニケーションを好むが、高コンテクストでは非言語的なサポートを要請し、暗黙のコミュニケーションを好むという違いがある。そして、言語化するかしないかということが、関係性やその認知と関連しているというのが話題提供のご趣旨であると理解した。

 遅刻してしまったため、この話題提供全体の趣旨については十分には把握できなかったが、一般論として、高コンテクストを好む人たちと低コンテクストを好む人たちがいることは確かであろう。また日本では、相手を「察する」ことは大切であり、要求する側も、できるだけ遠回しに、何気なく気づいてもらえるように振る舞うことがよいとされることが多いようだ。

 もっとも、だからといって、欧米人は低コンテクストで日本人は高コンテクストだと二分されるわけでもなかろう。多数決で決められてしまったのでは、高コンテクストを好む少数の欧米人、あるいは低コンテクストを好む少数の日本人は変人扱いにされてしまって大迷惑である。

 ちなみに私自身は、高コンテクストはあまり好まない。子どもの頃から、自分が望まないようなことまで「察して」くれると、お節介なヤツだなあと逆に不快になってしまう。反面、こちらから明示的に頼んでことをやってくれないとひどく腹を立てることがある。


次回に続く。