じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 _b0106(木)新年の抱負(1)研究編 早くも2011年の最初の一週間が終わろうとしているが、今年はまだ新年の抱負を記していなかった。といっても、私の場合は、2011年の1月1日というのは2010年度後期の通過点に過ぎない。じっさい、7年後の定年も2018年1月1日ではなくて2018年4月1日から始まる。1年単位で生活設計を考えていく場合には、どうみても暦年ではなく年度の区分のほうが現実にマッチしているのである。 それはそれとして、今年の抱負であるが、研究面では、残り7年3ヶ月ということを強く意識し、研究テーマに優先順位をつけて、7年余りでできることに集中し、できないことはバッサリ切り捨てる方針を断行していきたい。実際、今後読む予定の無い図書はすでに図書館に返却しているし、電子媒体でファイルとして保存できる論文については、過去にコピーしていたファイルや私費で購入していた雑誌等をすでに廃棄している。 定年までの研究計画、人生計画については人それぞれみたいで、教員によっては、定年が目前に迫ってもそれが何十年も先にあるような感じで同じスタイルを続け、3月の最後の一週間になるとドタバタしてあげくのはてには4月1日になってもまだガサガサゴソゴソしているという方も見受けられるが、私の場合はもう少し計画的に離脱していきたいと思っている。すでに公言していることであるが、定年退職日には、机と椅子と本棚だけを研究室に残して立ち去る予定である。 具体的な研究内容については、個々の事例についてデータを集める研究から、もう少し幅広く、全人的な視点から、行動分析学の方法で人間行動の何が分かるのか、どういう部分で貢献できるのかを明らかにしていきたいと思っている。行動随伴性という枠組みで諸行動をとらえることが基本ではあるが、断片的な行動についての随伴性ではなく、種々の行動が複合的に連関し、入れ子型に階層化していくなかで、長期的に持続可能で相互強化的な一連の行動が維持されていく仕組みを明らかにしていきたい。 このほか、上記に関連させつつ、2つほどのテーマについて考えてみたいと思っている。 その1つは、『共感する女脳、システム化する男脳』などの本でも論じられている「共感」というものを行動随伴性の枠組みで捉え直すことである。しばしば、「共感したので行動する」とか、「理解はできたが共感できないので行動しない」などと言われることがあるが、行動したりしなかったりする以上はやはり、強化や弱化の随伴性が働いているはずである。但し、それらは、個々の行動と結果との関係というよりも、漠然としてまとまっている行動クラスに対して、強烈な脳内変化を伴うような結果が伴う形で強化されているように思われる。これらをもう少し具体的なtermに置き換えて考えてみたいと思う。 もう1つは、高齢者が、孤立にも依存・同調にも至らず独立した生活を追求できるような環境の構築についての研究である。これは、「相互独立的自己観」とある程度共通しているが同一というわけでもない。この問題についてはまた別の機会に述べたい。 次回に続く。 |