じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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2011年版・岡山大学構内でお花見(25)文学部中庭のソメイヨシノ(その2) 昨日に続いて、文学部中庭の写真。今回は3階のトイレの窓からの撮影。この日は日中に3.5ミリの降水量があった。下を見下ろす写真は曇りや雨の日のほうがよく撮れる。 |
【思ったこと】 _b0415(金)今回の大地震について思ったこと(19)震災につけ込む詐欺と犯罪、「善」と「悪」 例によってNHKオンラインの見出し項目を掲げておく(4月16日早朝の時点)。
さて、今回の大震災に関連して、「ハーバード白熱教室」などで知られるマイケル・サンデル教授が ●「マイケル・サンデル 究極の選択」大震災特別講義 4月16日(土)午後9時から(73分) を行うという。さっそく録画予約をしたところであり、後日感想を述べさせていただきたいと思う。 ところでその番組紹介文の中にも記されているが、世界の人々は、一般的には ...震災の苦しみのなか、多くの人が途方に暮れながらも手を携え、未来へと踏み出している。大震災の様子は世界各地に報道され、世界の人々は、震災のすさまじさに驚くとともに、過酷な状況でも、冷静に協力し合う日本人の姿に感動...というように、日本人を好意的に受け止めているようだ。間接引用になるが、大地震直後の海外メディアの中には 有史以来最悪の地震が、世界で一番準備され訓練された国を襲った。犠牲は出たが他の国ではこんな正しい行動はとれないだろう。日本人は文化的に感情を抑制する力に優れている。と、日本人を称賛する声もあったという。さらに、ACジャパンによる各種キャンペーンでも、思いやり、感謝、迷惑防止、激励、希望などのテーマが多く取り上げられており、この時期に日本を訪れた外国人が居れば、日本人の美徳に感銘を受けるに違いない。 しかし、だからと言って、すべての日本人が善人というわけではない。3月17日の日記で振り込め詐欺や偽募金などの問題を取り上げたことがあるが、このほかにも多種多様な犯罪が起こっている。宮城県気仙沼市松崎片浜の気仙沼信用金庫松岩支店では金庫室に保管していた現金4000万円が盗まれていたというし、壊れた商店や民家を狙った空き巣もかなりの数にのぼっているという。 このほか、震災の犠牲に見せかけた殺人、亡くなった方へのなりすましなどもゼッタイに無いとは言い切れない。 最近のニュースの中では、原子力損害賠償法に基づく原発事故の被害補償、それに先行する仮払い金支払いなどのニュースが伝えられている。仮払金については、
そう言えば、3月18〜21日にほぼすべてのATMが停止したみずほ銀行で、その期間に、全国の本支店と出張所を開け、窓口で1人10万円まで払い出す臨時の対応をとったことがあった。そのさいには4日間で約23万件、計約196億円が支払われたが、口座の残高よりも多い額を請求されて支払った例が相次ぎ、4月6日時点で計6億円強が回収できずにいることが分かったという。悪事を働く奴らはどこにでも居るものだ。世の中、善人ばかりではない。 元のマイケル・サンデル教授の白熱教室にも関連してくるが、私自身は、この世の中には絶対的な善や悪は存在せず、それぞれの時代や文化の中でかなりの多様性を持つ概念であると考えている。しかし、特定の時代や場に固定すれば、その中での「善」と「悪」は固定され、一貫性や公正を保つように維持されなければならない(早い話、王様の気まぐれやくじ引きで善悪を決めているような社会であったら、庶民は平安に暮らすことができない)。サンデル先生が何と言おうとそれが「正義」というものだと私は思う。少なくともいまの日本においては、上に述べたような犯罪は悪であり、なんとしても消滅させなければならない。100人中99人、あるいは1000人中999人は「性善」であるが(←というか、この社会の「善」は多くの人がそれを守ると都合がよいように構成されている。悪人ばかりを集めて離れ島で共同生活をさせればそこにもまた多数派もしくは強者にとって都合のよい「善」が構成される)、残りの1%や0.1%には必ず「悪」が存在する。善や悪の相対性を受け入れつつ、とにかく、固定された状況のもとでは、「善」と「悪」は常に対立関係にあり、「悪」と戦い続ける中でしか「善」を保つことはできない。 |