じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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朝日を浴びる菜の花と、ニセ朝日を浴びる石庭 4月24日(日)早朝はよく晴れ、散歩時に日の出を眺めることができた。写真上は、本部棟南にある菜の花畑。日の出の方位が北東方向となっていて樹木に遮られているが、なんとか太陽を写し込むことができた。写真下は、岡大一般教育棟構内の石庭。西側の本部棟のガラスに反射した「ニセ朝日」が射し込んでいる。 |
【思ったこと】 _b0423(土)今回の大地震について思ったこと(24)汚染の大きさと命数法 まず、例によってNHKオンラインの見出し項目を掲げておく(4月24日早朝の時点)。
さて、最近、気になるのが原発事故にともなう放射能汚染で使われる数の大きさの命数法である。 物理的な単位としては、放射能の量を表す単位はベクレル(becquerel)、放射線の吸収線量の強さはグレイ(gray)、グレイに放射線の種類の違いによる生体への影響を加味して係数を掛け合わせて算出される、放射線を受けた場合の影響はシーベルト(Sievert)で表されるということであるが、問題は、数値の大きさを表す際にどのような命数法を用いるのかということである。 まず、非常に小さい数値の場合は、マイクロや、ミリが用いられる。これらの場合に、「分、厘、毛、糸、忽、微、繊、沙、塵、埃、渺、漠」が用いられることはない。正確な理由は分からないが、国際単位系(SI)における接頭辞として「マイクロ」や「ミリ」という接頭辞が定められているためではないかと推測される。 最近のニュースから「マイクロ」や「ミリ」の使用例を挙げれば、
いっぽう、放射能の量を表す単位ベクレルのほうは、きわめて大きな数値として報じられることがある。直近のニュースでは、 東京電力福島第1原子力発電所の事故で、東電は21日、2号機取水口付近から一時期漏洩(ろうえい)した高濃度の放射性物質(放射能)を含む汚染水について、流出量が少なくとも約520トン、放射能量は4700テラベクレル(テラは1兆)とする推定を発表した。同原発1〜6号機から1年間に放出が許容される保安規定に定める量の2万倍にあたるという。というのがあった【産経新聞、2011.4.21 12:32発信】。 「テラ」というのは、パソコンのハードディスク容量などではおなじみだが、一般には馴染みが薄い。上記ニュースで「兆」ではなく「テラ」を敢えて使ったのは、国民の不安を抑えたいという意図があったためだろうか、それとも単に、国際単位系 (SI) における接頭辞として定められているため、その用法に従っただけだろうか。 なお、コンピュータ関連ではしばしば、「キロ→メガ→ギガ→テラ」を1000倍ずつではなく2進法に依拠した1024倍ずつで表すことがあり注意が必要だ。ウィキペディアでは「コンピュータの分野においては、テラは1,099,511,627,776 (240) を表す場合もある」と記されている。 さて、テラや兆より大きな数を表す単位としては「京」がある。ネットで検索したところ、「福島第1原発事故で、これまでに外へ放出された放射性物質の量を原子力安全委員会が63万テラベクテルと発表した。」というところで「万テラベクレル」は「京ベクレル」と同じではないか、あるいは「テラ」の1000倍の接頭辞は「ペタ」なので、「630ペタベクレルとするのがSI接頭語の正しい使い方」ではないかという指摘もあった。それぞれごもっともであると思う。 しかし、それにしても、私が生きている時代には、「ペタ」や「京」などの途方も無い大きな数値に現実に遭遇するとは思ってもみなかった。その最初の数値が原発事故で放出された放射性物質の量というのはまことに嘆かわしい。 |