じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 2011年版・岡山大学構内でお花見(44)ジャガイモの花

 農学部農場で開花中のジャガイモの花。今年は例年より作付け面積が広いような気がする。その分、花も目立つ。


6月3日(金)



【小さな話題】

近代日本の政党政治の挫折のプロセス

 昨日の日記で、日本では議会制民主主義がうまく機能しておらず、いっそのこと国会を廃止し、王政復古の大号令をかけてもらったらどうかというような話題を取り上げた。しかし現実には、政党幹部たちは、相変わらず、もっぱら裏取引の有効性や互いの中傷に終始している。ではなく、組織内部の信義やら組織の保身ばかりで議論していて、「国民のためにはこうすることが一番必要だ」というような議論がまったく見えてこない。

 では、仮に議会制民主主義の代わりに王制を復活させたらどうなるだろうか。昨日も述べたが、王制や一党独裁体制に比べて、議会制民主主義は、言論の自由や多様な価値観を保証し、官僚主義や汚職・腐敗・不正を監視できるという点では優れた制度であると言える。反面、そういう制度のもとで選ばれる首相は、各種勢力の中の最大多数派のリーダー、あるいは拮抗する勢力のバランスを保つ調整役的な人物であって、必ずしも政策の立案遂行の最適任者であるという保証は全くない。また、どうしてもポピュリズムに迎合しやすく、かつ、100年の計といった長期的展望が立てられないという欠点がある。いっぽう、王制の場合は、国王が専門家集団の意見を聞いた上で、最適任の人材を首相に任命すれば、議会内のくだらない権力争いなどに惑わされること無く、長期的な視点を持って職務を全うすることができる。

 明治維新以降の日本では、大政奉還、王政復古のもとで様々な改革が行われた。もちろん数々の間違いも犯したが、総じて、強いニッポン国を作り上げる上で大きな成果を上げたと言ってよいのではないかと思う。

 ではなぜ、いまの日本人は、王政復古ではなく議会制民主主義を選んでいるのだろう。ある人は、占領軍に押しつけられたものだと批判し、ある人は、戦後の教育の中で議会制民主主義は絶対善であるとインプリンティングされてしまったためであると説くであろう。しかし、多くの人が王政復古をためらうのは、天皇制のもとで日本が戦争への道を突き進んでしまったこと、もし議会制民主主義がしっかりと確立していたら軍部の独走を食い止められたのではないかと考えているためではないかと思われる。

 しかし、軍部の独走の原因は必ずしも天皇制に原因があったとは断言できないようである。来週から開始されるという

NHK さかのぼり日本史

の6月連載では「昭和〜明治 挫折した政党政治」という話題を取り上げるという。予告サイトには
昭和初期、軍部の暴走がなぜ避けられなかったのかを、近代日本の政党政治の挫折のプロセスを通して明らかにしていく。1924年、二大政党制を実現し、成熟期を迎えたといわれた政党政治。しかしその内実は、政権争奪のために政党どうしが争い、国民の政党不信を背景にして軍が暴走するという結果をもたらした。その根底には、明治以来、自らの存在を生かすことしか考えてこなかった政党の体質があった。 番組では、満州事変前夜を起点に帝国議会初期までの歴史をさかのぼり、自壊を余儀なくされていった政党政治の大きなうねりをたどる。
と記されており、どうやら、政党政治は軍部によって弾圧されたというより、「政権争奪のために政党どうしが争い、国民の政党不信を背景」ということに原因があったようである。いまの日本もそうだが、日本人には、議会制民主主義という制度はなじまないのかもしれない。さっそく番組の録画予約をしておいた。





岡山でもめずらしく地震

 こちらの記録にある通り、6月4日の午前01時57分頃、島根県東部を震源とするマグニチュード 5.1の地震があった。最大震度は、島根、鳥取、広島各県の一部で観測された震度4であり、岡山市でも震度2の揺れを感じた。地震の少ない岡山では、震度2の揺れでもびっくり、布団から飛び起きた。揺れは横揺れが中心で、地震経験の少ない私には相当に強い揺れのように感じたが、室内から物が落下するなどの被害はなかった。

 それより少し前の午前01時04分頃には福島県沖でマグニチュード 5.6の地震が発生。こちらのほうの最大震度は「5弱」だというから、岡山の揺れなどは、東日本の人たちから見れば、話題にすることもないほどの小さな揺れなのだとは思う。

 しかし、中国地方でも地震が発生したことで、今後、さらなる直下型地震が群発するのではないかと心配される。5月19日に言及した「正断層型」の地震の1つなのだろうか。