じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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2011年版・岡山大学構内でお花見(47)ユッカの花軸。 大学構内各所でユッカの花軸がニョキニョキと伸びている。直立する前の、鎌首のような湾曲した形も味わい深い。 |
【思ったこと】 _b0610(金)センター試験の2科目受験“裏技”論争 6月10日配信のMSN産経ニュースに、 ●2科目受験し解答時間を倍に…センター試験で“裏技”発覚 予備校「防止策が必要」 という見出しの記事があった。要約引用すると以下のようになる。なお、公式の実施要項はこちらで閲覧できる。
なお,当該入学志願者が,地理歴史及び公民若しくは理科のいずれか又は両試験時間において2科目を受験した場合については,当該大学の入学者選抜において1科目のみを利用すると指定している場合であっても,各試験時間について第1 解答科目,第2 解答科目それぞれの得点及びその合計点。と記されており、上掲の通り“文科省は「1科目選択の大学の場合は、(不正ができない)1科目目を採点するなど、防止策を入試センターと大学側で協議してほしい」としている。」というが、1科目選択の場合、「2科目受験した場合は、得点の高い科目のほうを採用する」と予告している大学・学部も少なくない。一般に、個別学力検査や大学入試センター試験において本学が課す教科・科目の変更等、受験生の準備に大きな影響を及ぼす変更については、2年前に予告・公表することとされており、「得点の高い科目を採用」を「1科目目として提出した答案の得点を採用」に変更することは、受験生の準備に大きな影響を及ぼすことに該当するのではないかという議論がある。 では、現実に、2科目受験と1科目受験ではどの程度の不公平が生じるのだろうか。あくまで主観であるが、地歴・公民の解答の場合は、解答時間が60分であっても120分(プラス1科目目解答提出時間10分)であっても、時間の違いによる有利不利ということはあまり無いように思う。要するに、解ける問題であればすぐに解けるし、解けない問題はいくら時間をかけても正解を思い出せないだけである。但し、社会科系の問題にはけっこう暗記問題が多いので、試験開始時点で受験予定の2科目の問題をざっと閲覧し、「ヤマが外れた」科目を後から解答するように方針を立ててれば、1科目だけ受験の場合よりはかなり有利になると思う。この種の有利・不利は、「1科目目として提出した答案の得点を採用」という文科省の要請?に従っても、防止することはできない。 いっぽう、理科系の科目、特に物理などでは計算をさせる問題が出題されることがあり、私個人がもし受験するのであれば、時間の長いほうが、じっくりと考え、検算もできるので有利になるように思う。また、いま述べた社会科系科目と同様に、試験開始時点で受験予定の2科目の問題をざっと閲覧し、「ヤマが外れた」科目を後から解答するように方針を立てることもできるだろう。 けっきょく、会場別に2科目受験と1科目受験を実施する場合は、どのように対策を施しても不公平を無くすことはできないように思う。また、大学入試センターが「そうしたやり方を本当に受験生がやったら不正だ」と言っても、一生懸命解いたうえで低得点になった答案と、デタラメにマークして提出した答案を区別することはできないはずだ。 ではどうすればよいのかということであるが、私自身は、2科目受験と1科目受験の不公平さはそんなに気にする必要が無いという立場である。そもそも、難関大学では、センター試験の得点は80%〜100%取らなければ合格できない。そのレベルの受験生であれば、試験時間が60分であろうが130分であろうが、正解できるのが当たり前であり、不公平などは問題にもならない。いっぽう、比較的入りやすい大学で1科目選択となっている場合は、仮に1科目を白紙答案で提出し2科目目のほうで120分(プラス1科目目解答提出時間10分)かけて解答したとしても、とにかく一生懸命考えて、本人として最善の答案が提出できるならば、それを評価してあげることも悪くはないと思う。また、「1科目目の答案用紙を回収後、2科目目の答案用紙を配布する。」というのも作業は煩瑣になるだけでミスの原因にもなりかねない。120分終了後に2科目の答案をまとめて提出させればそれでよいと思う。 但し、上掲でも指摘されているように、「本命でない科目で低得点が続出し、平均点のぶれが大きくなる。得点調整が行われれば、すべての受験生に影響が出ることになる。」という別の問題点は残る。すでに試験実施要項で 大学入試センターは,大学入試センター試験の本試験において次の各科目間で,原則として,20点以上の平均点差が生じ,これが試験問題の難易差に基づくものと認められる場合には,得点調整を行う。と発表されているが、少なくとも、調整候補科目について、1科目受験者と2科目受験者の得点傾向(平均点や得点分布)に著しい差があるかどうかはチェックしておく必要があると思う。「これが試験問題の難易差に基づくものと認められる場合には」という但し書きがついているので、事後的な分析により調整の有無を決定することはできるのではないだろうか。 今回の変更は、全体の試験時間を短縮しつつ、選択できる科目の組み合わせが多様になるというメリットもあり、基本的には改善になっていると思う。そのことをふまえた上での発言であることをお断りしておく。 |