じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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2011年版・岡山大学構内でお花見(66)岡大西門横の公共花壇

 岡大西門を入って左手にある公共花壇。ここの花壇は多年草と実生株が主体という点に特徴がある。写真に写っている、ヒャクニチソウ、ポーチュラカ、マツバボタンなどはすべて実生株。新たに植え付けられたのは、巨大輪のマツバボタンとホウキギ(コキア)の2種類のみであった。公共花壇では普通、一定のサイクルですべての苗を抜き取り、ポット苗に丸ごと植え替えることが多い。そのメリットとしては、
  • 丸ごと植え替える時に完全に耕すので雑草が殖えにくい。
  • 雑草と園芸植物の見分けが苦手な人でも管理できる。
  • 開花間近のポット苗を植え付けるので、花が一斉に咲いていて見栄えがよい。
などを挙げることができる。しかし、そのいっぽう、
  • たんにポット苗を埋め込んだだけの人工的景観であり、その場所で植物が育っているという実感、季節感がわかない。
  • 少数の種類を植えるため、多様な自然が楽しめない。
といったデメリットがある。いっぽう、多年草花壇のメリットは、
  • 芽が出てから開花までの変化を楽しめるので、自然と共生しているという実感がある。
  • 実生株は乾燥や寒さなどで淘汰されて成長した株ばかりなので、丈夫でしっかりと根を張っており、水やりの手間があまりかからない。
  • 丸ごと植え替え花壇に比べると、その日1日に咲いている花の数は少ないが、長期間、いろいろな花を楽しむことができる。
などにあり、デメリットとしては、
  • 花壇全体を耕す機会が無いので、日頃から雑草の除去、間引きなど、継続的に管理する必要がある。
などを挙げることができる。


8月2日(火)

【思ったこと】
_b0802(火)ねつ造された談話記事であっても、実際に語られた談話記事であっても、情報的「価値」に大差はない

 各種報道によれば、共同通信社が昨年10月、サッカーの国際試合で、取材をしていない架空の観客の談話をねつ造して記事にしていたことが分かった。共同通信社は、関係者を厳重注意にしたうえで「極めて不適切な原稿で、社員の教育を徹底していく」としているという。

 まず、NHKオンラインの8月2日12時18分配信のニュースから事実関係部分を引用すると以下のようになる。
この記事は、去年10月8日にさいたま市で開かれたサッカー日本代表の国際試合について書かれたもので、「ワールドカップのブラジル大会ではベスト4だって狙えそう」などという20代の女性の観客の談話が書き加えられていました。しかし、この談話について、共同通信社の社内から「取材をしていないのではないか」と指摘があったため、社内で調査したところ、記者の原稿をチェックする40代の運動部の次長が、「締め切りが迫っていたため、以前、知人から聞いた話を観客の談話のように仕立てた」と虚偽の記事だったことを認めたということです。記事は、加盟する報道各社に配信され、4つの新聞に掲載されたということです。共同通信社は、この次長と上司の運動部長を厳重注意処分にし、次長については、編集以外の部門に異動させたということです。これについて、共同通信社は「談話がねつ造だと断じることはできないが、虚偽の談話であったことは確かであり、極めて不適切な原稿だ。今後は再発防止に向け、社員教育を徹底していく」と話しています。


 まず、基本的な前提として、報道機関が、事実ではない談話をねつ造したことは問題であるとは思う。しかし、ではそれが事実として語られた談話であったとしても、そのことで情報的価値が高まるとは思えない。しょせん、この種の談話記事などというのは、読者に共感を与えるための飾りのようなものであって、何1つ一般化できないし、科学的な根拠として利用できる代物ではないように思う。

 原発の是非であれ、菅内閣への支持・不支持であれ、あるいは消費税率の引き上げや子ども手当問題であってもそうだと思うが、街角で通りすがりの人に質問をすれば多種多様な意見が何百と返ってくるはずだ。しかし、テレビや新聞記事の中で紹介される「談話」というのは、そのうちの2つ3つに過ぎない。それらは決してランダムに抽出されたものではない。要するに、編集者が恣意的にピックアップしたものが記事になるだけである。今回はたまたま、ねつ造であったことが判明したが、「ワールドカップのブラジル大会ではベスト4だって狙えそう」と思っている観客はいくらでもいるはずで、何が何でもねつ造を避けようというのであれば、そういう発言をする人が見つかるまで、次々とインタビューをすればよいだけのことである。

 ひとくちに談話記事といっても
  1. 政治家や有名人が実際に語った内容
  2. 被災地などでの生の声
  3. スポーツで日本人が活躍した時の観戦者の喜びの声
などいろいろなタイプがある。このうち明確な事実確認が求められるのは1.であろう。2.は、体験者でなければ分からないような重要な情報を含むが、すべてのニーズを網羅しているわけではない。3.の場合もねつ造は許されないが、それらの声が代表的であるという保証は全くない。むしろ、聞き手を共感させたり、実際に起こったことをよりリアルに伝えようとする際の演出効果として利用されているという面があるように思う。