じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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岡大のオープンキャンパス初日。手前の花はポーチュラカと巨大輪マツバボタン。なお、文学部オープンキャンパスには1300名を超える参加者があった。メイン会場の26番講義室には入りきれないため、いくつかの講義室でリアルタイム・双方向中継が行われた。私自身は22番教室を担当。 |
【思ったこと】 _b0805(金)2011年版・高齢者の心と行動(44) ダイバージョナルセラピーワーカー・フォーラム2011(7)理事長による基調講演(7)assessmentとplanningの難しさ 8月4日の日記の続き。 理事長講演でも紹介されたように、ダイバージョナルセラピーでは、
まず、事前のassessmentや、それに基づくplanningで重要なことは、「言葉の一人歩き」に注意せよということである。昨日も述べたように「Aさんは花が好きだ」という情報だけでは、花を育てることが好きなのか、飾ることが好きなのか、あるいは、野原に自生する花が好きなのか、詳細は分からない。伝え聞いた人の思い込みで、言葉の示す内容を勝手に定義しないことが肝要である。 同じく昨日述べたように、「Bさんは歌が好きだ」という場合も、まずは、聞くことが好きな人と、独唱や合唱や演奏が好きな人では大きく異なるし、好きな歌のジャンルも多種多様である。 また、何が好きか嫌いかということは、具体的なエピソードを手がかりに語られることが多いが、1つの事例をどのように一般化するか、どのような枠組みでひとくくりにするのか、慎重な検討が必要であろう。例えば、たまたま、人形をプレゼントされたCさんがそれを抱っこしてかわいがっているのを目撃すると「Cさんは人形が好きだ」と報告されることになる。しかし、Cさんは本当は縫いぐるみのほうが好きであり、たまたま身の回りに縫いぐるみが無かったために人形で代用したという可能性もある。また、本当に好きなのは生きたネコを抱っこすることであり、それが禁止されているために人形を抱っこしていたのかもしれない。 こうした枠組みづくりは、エピソードや少数回の観察だけでは把握しにくい。それと、「○○が好き」ということの本質は、何かの行動が強化されているということであって、その強化因までを同定して初めて、次のステップに進むことができる点にも留意しなければならない。 次回に続く。 |