じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 文法経ゴミ集積所横の空き地がジャングル地帯のようになっている。まさに「手つかずの自然」であるが、実態は、外来植物の競合。

8月7日(日)

【思ったこと】
_b0807(日)最近視たテレビ番組から(2)大人がハマる数学ブーム/人類 再び月へ/中島三郎助

 昨日に続いて、7月〜8月上旬までに視た番組のメモと感想を備忘録がわりに記しておく。
  • NHK・クローズアップ現代「大人がハマる“数学ブーム”の謎」(2011年7月27日放送)
    数学ブームがどの程度の規模なのか、少々誇張ではないかという気がしないでもないが、いろいろな数学参考書、数学愛好者向けの雑学諸、古典的名著などがよく売れており、また、カルチャーセンターや個人塾など社会人向けの数学講座はキャンセル待ちの状態も出ているとか。

     番組では、2ヶ月以上かけて「オイラーの等式」の証明に挑む50代のサラリーマンが紹介されていた。ちなみに、オイラーの等式というのは、オイラーの公式において、θ = π のときに導かれる、

    eiπ + 1 = 0

    もしくは、

    eiπ = −1

    のことを呼ぶが、私自身は、この式はどうせ、ライプニッツの公式あたりから導かれるものだろうと思っていてそれほど神秘性を感じていなかった。正規分布の式の中になぜeとπが含まれているのかについては一時期強い関心を持ったが、いろいろな雑学サイトを検索した結果、それほど不思議なことではないと分かり、疑問自体は解消した(←自力で証明できるというレベルには達していない。念のため)。

     番組はなかなか興味深い内容であったが、ただ1つ、「新入生はなぜボート部に入らないのか」を「新入部員はなぜボート部に入ったのか」に置き換えて考えてみようという発想転換は、数学的思考とは関係の無い、もっと一般的な、多面的なモノの見方の一部に過ぎないと思う。同じ問題を行動分析学的にとらえれば、要するに、新入生がボート部に入る行動はなぜ弱化しているのかを新入生対象に探る代わりに、新入部員を対象に入部する行動を強化していた要因を探ろうとする方向に問題解決の方向を切り替えたということのようであるが、そのために数学の参考書が必要であるとは全く思わない。たまたま当事者が数学の愛好者であって、愛読書の『いかにして問題をとくか』に共通するヒントが書かれてあったというこじつけに過ぎないように思う。であるからして、多面的なモノの見方を身につける手段としては、数学の参考書を読もうと、将棋に上達しよと、あるいはビジネスの実践活動を積もうが、有効性には大差ない。とにかく、固定観念を捨てて、いろいろな可能性を探る力を磨けばよいのである。
  • BSアーカイブス「ハイビジョン特集 人類 再び月へ 進む 月面基地計画(7月19日再放送、初回放送は2009年11月22日)
    アポロ11号による月面着陸が成功したのは1969年7月20日、アポロ17号による最後のミッションは1972年12月11日であり、その後、アメリカを含めていかなる人類も月の上には降り立っていない。これほど長期にわたって、月面着陸が行われてこなかった理由は、おそらく、費用対効果という点で、月がそれほど魅力がない天体であったということにつきるのだろう。ちなみに、アポロ11号の月面着陸が成功した当時の日本人の反応は、アメリカの偉業を称えるのではなく「地球の人間もついに宇宙人の仲間入りをした」、「月が僕のものになったような気がした」というように、みな瞬間的無国籍人類になってしまっているところが興味深い。そのいっぽう、はやぶさの成功は、人類の偉業ではなく日本技術者の底力として評価する日本人が多いというのもこれまた興味深い。

     それはそれとして、少年時代に読んだSF冒険小説では、2010年には人類は月や火星を自由に往来していたはず。今後、再び月探査は進むと思うが、私の寿命の尽きるまでのうちには、SF小説のような宇宙旅行は残念ながら実現しそうにもない。
  • NHK 歴史秘話ヒストリア「世にも数奇なラストサムライ 〜幕末 いつも”そこ”にいた男・中島三郎助〜」(初回放送は2011年7月6日)
    大学入試の時は日本史で受験した私であるが、中島三郎助というお名前は記憶には無かった。意外だったのは、函館市に中島町という地名として残っており、中島三郎助父子最期の地碑が立っていたり、「中島三郎助まつり」が開催されているという点だ。確かに終焉の地ではあったが、函館滞在はごく短期間のはずで、なぜ地名にまでなったのかは謎だ。ちなみに、同じく函館で最期を遂げた土方歳三の地碑は若松町に立っているというが、函館市には「土方町」という地名はなさそう。