【思ったこと】 _b0819(金)2011年版・高齢者の心と行動(51) ダイバージョナルセラピーワーカー・フォーラム2011(14)理事長による基調講演(14)レジャーの役割(6)
引き続き、ウィキペディアの当該項目を引用しながら、「レジャー」の概要について、私なりの考えをまとめておく。【緑色部分が引用。一部略。一部、改行箇所などを改変。青字部分は私の考え。】
- 【レジャーの評価と定義】
余暇時間をどのようにすごすべきかについての意見が多々あり、余暇やレジャーの定義もさまざまであるように見える場合がある。これはレジャーの内容についてある一定方向のベクトルをもった観点での定義であることがおおい。それは生き方つまり人生の定義と同じだけ存在する。しかしさまざまな主張の中で同じ方向を向いた主張がある。これは時代の流れの中であるときに同じような生き方が多く志向されるのを反映している。まず、レジャーとは個人の自由時間のことでありその自由時間の中身を決めるのは各個人であるが、人間の活動について仕事の捉え方、考え方が多種多様であるのと同様、余暇の過ごし方、余暇時間の活用または余暇時間を活用しないことも含めてそこには各人の人生観が現れることになる。そのため、レジャーのカテゴライズ(分類)も切り取る側面によりさまざまなものとなる。以下によく使用される文脈でのレジャーの使用例を上げる
- レジャー施設 娯楽施設
- 旅行・レジャー 旅行およびそれに付帯するアクティビティ
- レジャーガイド おでかけガイド
- レジャー・スポーツ スポーツだが競技としてよりも(多くは仲間と一緒に、場合によっては一人で)楽しむためのスポーツ
- 観光レジャー 観光や行楽
- アウトドア・レジャー 野外での遊び
- ホビー・レジャー 趣味と娯楽
- 趣味・レジャー 同上
- 読書もレジャーであるが、一般的にはあまり使われない
レジャー白書では、日本人の余暇活動の現状についての調査を年次でまとめている。労働時間、家計収入支出、余暇時間、余暇支出をマクロな観点での変数として捉えている。具体的な内容では「スポーツ」「趣味・創作」「娯楽」「観光・行楽」の4カテゴリーとして計91種目の余暇活動について、人々の参加や活動実態を調査しており、平成16年の余暇活動上位20位は外食(日常的なものを除く)、国内観光旅行、ドライブ、カラオケ、ビデオ鑑賞、宝くじ、パソコン、映画、音楽鑑賞、動物園(含む植物園、水族館、博物館)、園芸(庭いじり)、バー(スナック、パブ、飲み屋)、ボウリング、遊園地、体操、ピクニック(含むハイキング、野外散歩)、ボードゲーム・カードゲーム、テレビゲーム、ジョギング・マラソン、音楽会コンサートとなっている。
白書ではレジャー産業の4つのカテゴリーとして各カテゴリーの最近の代表的な内容をあげている。
- スポーツ部門
- スポーツ用品関連の市場
- サービス市場 テニススクール、フィットネスクラブ、ゴルフ場・ゴルフ練習場、スキー場
- スポーツ観戦 Jリーグ、プロ野球、格闘技
- 趣味・創作部門
- 携帯音楽プレーヤー(自宅での音楽鑑賞の低迷の一方外で手軽に楽しむスタイル)
- 携帯着メロ・着うた(新しい市場)
- AV機器
- 大画面薄型テレビ
- デジタルAV機器とDVD、映画
- デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ
- テレビ
- DVDレコーダー/プレーヤー、DVDソフトなどDVD関係商品
- CD
- 書籍・雑誌
- 学習レジャー 民間カルチャーセンター、NPOによる学習講座
- 娯楽部門
- パチンコ、パチスロ、ゲームセンター
- テレビゲーム
- 公営競技
- カラオケボックス
- 観光・行楽部門
- 旅行業 海外旅行、国内旅行
- 宿泊施設 ホテル、旅館、ペンション、民宿
- 遊園地・テーマパーク 園地併設型の温浴施設 農業公園、ペットパーク
- 乗用車
これらはほとんど消費動向調査に近いものであり、自由時間に産業界がフォーカスしていることがここからも理解できる。ここに含まれていないのは、生活必需品関連と学習教育関連であり、レジャー白書は、冒頭の定義どおり労働時間、睡眠時間以外の自由時間における活動についてフォーカスしていることと、その時間に費やされる動向を産業別・市場別に調査している。
一方、このような産業統計にはなかなか載ってこないが、重要な視点として、天野祐吉の講演「ボランティアは究極のレジャーだ!」での『「遊ぶ」が悪いことのように思われるようになったのはこの100年程度のことであり、 江戸時代の人々はあまり働きすぎなかった。その頃からボランティアはあった。当時は「人助け」「お節介」と呼んだ。お節介は決して悪いものではなく、人間はお節介しないと生きていけないもの。 』があげられよう。
なお、上掲の「白書」は5〜6年前(平成16〜17年頃)発行のものを引用している模様である。こちらに案内があるように、最新の白書は2011年版であり、その中では「震災後日本のレジャー」という緊急特集や、「レジャーのデジタル化」の動向についての特別リポートがあり興味深い。現在注文中なので、入手できたらまたコメントさせていただこうと思う。
ウィキペディアでも指摘されているように、上掲のような調査はほとんど消費動向調査に近いものであり、悪く言えば、商業主義に飼い慣らされたレジャーであると言えないこともない。もちろん、ほとんどすべてのレジャーは、タダでは参加できない。レジャーが活発になれば、その分、何かが消費され、それで潤う人々が出てくるのは当然であろう。とはいえ、安易にCMに流されることなく、主体的・能動的な選択が求められる。そのためには、自分が参加しているレジャーがどのような好子出現によって強化されているのかを十分に見極める必要があると思う。
次回に続く。
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