じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



07月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
§§
 7月5日(木)の岡山は、日中を中心にまとまった雨が降り、1日の合計降水量は33.5ミリとなった。写真は、座主川沿いの遊歩道(岡大西門・東側)が水没しているところ。

7月5日(木)

【思ったこと】
_c0705(木)人間・植物関係学会2012年度大会(8)会長講演「人間・植物関係学会の発展を期して」

 大会2日目の午後は、総会に引き続いて、「人間・植物関係学会の発展を期して」と題する会長講演が行われた。もっとも、講演時間自体は比較的短く、実質的には、多くの会員から発言を求める形の対話集会であった。

 会長講演の中でも言及されていたが、この学会は、2000年10月14日の「人間・植物関係学会(仮称)設立準備会発足記念講演会」を経て、2001年9月30日に設立されたものである。設立当初の会員数は2001年8月末の登録数で正会員156名、学生会員7名となっていた。

 その後毎年、植物との関わりについての基調講演と研究発表が行われており、私自身も2006年に2006年岡山大会をお引き受けしたことがある。

 毎年の基調講演者やそのテーマの一覧はまことに興味深く価値あるものであるが、会員数が全く増えていないこと、学会誌掲載の論文の数が少ないこと、発起人に名を連ねていた著名人各位や基調講演に登壇された方が、その後の学会活動に加わっていただけていないといった問題点がある。正会員の会費が1万円というのも、心理学関係の諸学会と比べると割高であり(←日本心理学会の会費は1万1000円でありもっと高いが、学会誌のボリュームや各種シンポなどがはるかに充実している)、一般の人が気軽に参加できないということも一因になっている。

 ではどうすればよいのか、各種議論があるように思うが、私自身は、まずは、植物との関わりをテーマとしている、すなわち、文学、芸術学、里山保全、森林セラピー、農業、園芸など、あらゆる領域から会員を募り、相互の研究交流や普及啓蒙活動に取り組むことが必要ではないかと考えている。といっても、そういう人たちは、必ずしも、研究発表や論文執筆に関心があるわけではない。そこで、もっと会費を安くして(3000円程度)、年に3回程度開催される有料の講演会への参加費を無料にするといった特典を与える。学術誌は完全に電子媒体化して、印刷コストや郵送費をゼロにし、かつ、経費は投稿費でまかなうといった運営にすれば、もっと幅広い活動ができるのではないかと考えている。もともと「植物との関わり」は人間の根源的な欲求に根ざしているところがあり、植物を育てたり、野生の植物とふれあったりすることは多くの人々の生きがいにもなっている。この学会の活動が停滞してもそうした営みが消えるわけではないが、とにかく文化教養講座的な側面もあってよいから、いろいろな経験から広く学び、そこで得られた成果をさらに多くの人に広げるという活動があってもよいように思う。

 ということで、今回の連載はこれで終了させていただく。