じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 10月8日(月)は体育の日であった。体育の日はもともと1964年の東京オリンピック開会日にちなんで設定された日であったが、2000年から10月第二月曜に変更された。「体育の日は晴れる」と言われる通り、この日もよく晴れた。もっとも、ウィキペディアには、
東京オリンピックの開会日が夏季オリンピック開催日としては異例に遅い10月10日となったのは、秋雨前線が去った後の東京地方の「晴れの特異日」だった事による、と言われているが、そもそも10月10日は特異日ではない。「特異日」とはその前後の日に比して特定の天気が集中する日のことであり、10月の中で10日が特段に晴れの日が多いというデータは存在しない。昭和34年発行の『気象学ハンドブック』によれば、10月の晴れの特異日は14日とされている。
と記されており、特異日というわけではなさそうだ。なお、10月の第二月曜日は年によって10月8日から10月14日のあいだで変化するが、今年は最も早い10月8日となった。来年は最も遅い10月14日となる。


10月8日(月)

【思ったこと】
_c1008(月)「選択」について考える授業(1)

 今週と来週の2回、特別授業を担当することになっている。今回のテーマは、「TEDで学ぶ心理学〜選択について考える〜」とし、TEDでWeb公開されている次の3つのプレゼンテーションを活用し、受講生との対話を重視しながら「選択」について考えることとした。
  1. Sheena Iyengar (2010).The art of choosing.
  2. Barry Schwartz (2006).The paradox of choice.
  3. Sheena Iyengar (2011).How to make choosing easier.

 このうち、1.については、こちらでも取り上げたことがあり、発展研究として、書籍や学術論文にも言及することになるかと思う。

 さて、ここで改めて選択とは何かについて考えてみるに、選択というのは要するに、複数の行動が起こりうるという状況のもとで、そのうちの1つが出現することであり、さらに、以下のような条件を満たした場合に「選択する/した」と扱われているようである。
  1. 「能動的な選択」が仮定されている。
  2. 強制や必然は選択ではない。
  3. 「する/しない」、「続ける/止める」、「はい/いいえ」も選択の一種。
 このうち1.の「能動的」については別に定義が必要であろう。

 2.については、授業の場合などそうだが、それを履修しないと卒業できないような必修科目は、選択科目とは言わない。また、可能性としては複数あっても、どれを選ぶのかが必然であるような場合は、選択したとは言えないであろう。

 3.は、1つの行動に関する「する/しない」の選択である。複数の行動のどれを選択するのかというのは、実際にはその拡張版であるとも言える。すなわち、A、B、Cという3つの行動のどれを選ぶのかというのは、Aをするかしないか、Bをするかしないか、Cをするかしないか、という2の3乗=8通りの組み合わせであると言えないこともない。もっとも、同じ時間に2つ以上の行動が同時にできない場合は、結果的に、A、B、Cいずれか1つを選ぶという3通りの選択肢に減らされる。

 さて、一口に「選択」といってもいろいろなタイプがある。ざっと挙げてみると、
  • 単なる好みの表明
  • 葛藤を伴う選択
    • 接近-接近/回避-回避/接近-回避/(接近-回避)-(接近-回避)
    • AとBいずれを選んでも、それぞれにメリット、デメリットあり。大学進学、就職先
  • リスクを伴う決定
    • ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターン
  • 選択の期限を迫られているかどうか
    • 当面は先延ばしができる場合
    • 先延ばしをするという選択肢がある場合
  • 選択肢が二者択一の場合と、中立的選択が認められている場合(「どちらとも言えない」)
  • 「自分で選ぶ」、「他者に選んでもらう」、「くじびきで選ぶ」のどれを選ぶかという選択
  • 精密な情勢分析をすれば「正しい選択」の可能性が高まる場合
    • 囲碁や将棋の次の一手
    • selectとchoice/選択と決断
  • 選択の結果が他者に及ぶかどうか
  • リーダーが部下に与える選択肢
  • 長期的な進路に関わる選択と、直後に結果が伴う選択
  • 目先の利益と将来の損失(あるいは、目先の損失と将来の利益)の勘案
などなど。これらを分類整理することも1つの課題である。

 次回に続く。