じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 2月14日から15日にかけて、太平洋側の各地で大雪となり、甲府市では統計のある過去120年で最多の110cm(2月15日午前07時現在)を記録、東京の都心でも一時、積雪が27センチとなり、45年ぶりの大雪となった今月8日の記録に並んだ。
 岡山市でも2月14日の午前中に若干の積雪があったが、2月8日に比べるとかなり少なく、アスファルト面では積もらずに融けていた。気象庁の公式記録でも積雪は0cmのままであった。

 写真左は座主川遊歩道、写真右は岡大・東西通りの歩道上の積雪を2月8日と比較したもの。



2014年2月15日(土)

【思ったこと】
140215(土)コミュニティで創る新しい高齢社会のデザイン(4)日本「再創造」−活力ある長寿社会へのイノベーション−(4)

 昨日に続いて、小宮山先生の基調講演のメモ・感想の4回目。

 講演では、高齢社会イコール介護社会ではないということがグラフをもって示された。データによると、男性の場合、11%は90歳になってもなお健康を維持できる。そのいっぽう、19%は比較的若い時から持病などがあり、すでに悪い状態となっている。残り70%は徐々に健康が悪化していくというパターンである。もちろん個人にはそれぞれの事情があり、要介護だから悪いとか、健康であるべきだといった議論はできないが、国全体の施策として提言する場合には、まずは、健康維持者の比率を高め、年金や保険で一方的に受け取る側に立つのではなく、他者から支えられる部分と他者を支える部分を差し引きゼロのニュートラルの状態に保ち、ピンピンコロリ(PPK)となるように日々健康維持につとめることが必要と言わざるを得ないだろう。なお、小宮山先生の主張は、こちらの記事の中でも、以下のように説かれている。
しかし多くの国で、高齢化の負の側面が社会的課題となっているのも周知のとおりである。先日、高校生を対象に講演をした際に、生徒たちと話をする機会があった。彼らは「私たちは年寄りの介護で一生を終えると思っていた」と言うのである。若い世代が、未来社会に暗いイメージを抱いていることは大きな問題であるし、若者の思考は大人たちの考えの反映とも言える。この状況を発想の転換によって突破しなければならない。重くのしかかる医療・介護の負担を誰が担うかという視点では、ゼロサムゲームの議論に陥るだけである。高齢者が払うか、現役世代が払うか、支払いを減らすかしかないだろう。そうではなく、高齢社会を好機ととらえ、「健康・自立支援」という積極的な視点で新しい需要を創造していくことが必要なのである。
 この日記で何度も書いているように、医療や介護はお金の問題では決して解決しない。もし、高齢者がみんなお金持ちになれば、理想的な医療・介護を受けられるのかというと全くそんなことはない。1つの国の中で高齢者がお金持ちになるというのは、若者たちと格差を作り、若者たちを働かせる仕掛けを作るというだけのことにすぎない。では外国人を雇えばいいかというと、これは国と国の格差を作っただけのことであり、労働者を送り出す国の中ではかならずどこかにしわ寄せがくる。

 講演の最後の所では、「幸せな加齢の5条件」として以下が挙げられていた。
  1. 栄養
  2. 運動
  3. 人との交流
  4. 新概念への柔軟性
  5. 前向き思考
 なお、小宮山先生の御主張は、

Beyond the Limits to Growth.

という御著書にまとめられているとのことである【同じタイトルの別の書籍がある模様なので、「Beyond the Limits to Growth Komiyama」で検索したほうがよい。】。注文すると50ユーロかかるが、open access bookなので、無料でダウンロードすることができるとのことだ【但し、登録が必要?】。また、今回の講演録のパワーポイントファイルはこちらに公開されていることに気づいた。長谷川の聞き取りで不確かだった部分についても後日訂正する予定。

次回に続く。