じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
広島地方気象台は6月4日、中国地方も梅雨入りしたと発表した。平年より3日早く、昨年より8日遅い。岡山では昼過ぎから雨が降り出し、6月5日6時現在の24時間積算雨量は21ミリとなった。写真は、時計台前のヘラオオバコ。繁殖力が強く、要注意外来生物類型2に指定されている。 |
【思ったこと】 140604(水)長谷川版「行動分析学入門」第8回(3)好子出現の随伴性による強化(29)そのほかの好子出現のスタイル(3)入れ子構造型の随伴性(1) 辞書では「入れ子」は
こちらの考察の4.1で述べているように、行動は、要素的な反応群の寄せ集めではなく、入れ子構造をなしています。例えば、「自転車通勤」という行動は、「ペダルをこぐ」、「自転車が倒れないようにバランスをとる」といった行動から構成されています。また、もし自転車通勤が地球温暖化防止策の一環として行われているのであれば、「環境配慮行動」の一要素として、クールビズ着装行動、エアコンの省エネ設定行動などとともに総合的に強化されます。そのいっぽう、自転車通勤が、行動遂行者の健康増進の一環であるとすれば、それらは日々の散歩、ダイエット、スポーツジムに通う、規則的な生活をする、禁煙を維持するなどの諸行動とともに総合的に強化されるでしょう。 少し前、並立スケジュールや並立随伴性のところで、 私たちは常に、複数の独立した行動随伴性に晒されており、その中でいろいろな行動を増やしたり減らしたりしています。ここでは詳しく述べませんが、日常生活場面においても、単一の行動の増減ばかりに注目するのではなく、同時に存在している複数の随伴性、あるいは、複数の行動のあいだの両立可能性について分析する必要があります。と述べましたが、単に「並立」というだけですと、上記の、「自転車通勤」、「クールビズ」、「エアコン省エネ」、「日々の散歩」、「ダイエット」、「スポーツジム」などは、みな個々バラバラに強化されるだけとなり、個々の行動は、せいぜい、相補的か相反的かという関係だけで捉えられることになります。しかし、上述のような入れ子構造で考えれば、日常生活の諸行動をより、総合的、全人的に捉えることができます。例えば、同じ時間帯に行動できないという点では「日々の散歩」と「スポーツジム」は相反的ですが、健康増進の入れ子に含まれる行動であると考えれば相補的であるとも言えます。この種の考え方は、目的論的行動分析学(Teleological Behaviorismに通じるところがあります。なお、単に、「目的論的行動主義」というとトールマンの目的論的行動主義(Purposive behaviorism)のことを意味することになりますので、ここではあえて「目的論的行動分析学」と暫定的に訳しました。【この暫定訳はいずれ変更するかもしれません。】 リンク先にもありますが、「目的論的行動分析学」の創始者は、Howard Rachlinです。 次回に続く。 |