じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 このところ非常に忙しく、岡山県外に出たのは3月下旬以来3ヶ月ぶりであった。今回、人生60年+αにして初めてSMART ICOCAなるものを、岡電バス、新大阪の軽食屋、在来線で使用した。3月下旬に申し込んだが、そもそも、県外に出る予定が無く、また岡山市内はもっぱら自転車か自家用車で移動しているため、これまで全く利用する機会が無かった。



2014年6月23日(月)

【思ったこと】
140623(月)長谷川版「行動分析学入門」第10回(7)嫌子出現の随伴性による弱化(7)「弱化からの復帰」と「部分弱化」

  今回は、嫌子出現の随伴性における「弱化からの復帰」と「部分弱化」について取り上げます。これらは、操作的には、好子出現の随伴性における「消去」や「部分強化」にそれぞれ対応するものです。

 6月17日に述べたように、行動が「弱化」されるためには、まずは、その行動が頻繁に起こっていることが前提条件となります。行動が最初から起こらなければ、弱化のされようがありません。行動の直後に嫌子が出現しなくなると、行動はもはや弱化されなくなります。その行動はもともと、好子出現によって強化されていたわけですから、そのレベルまで頻度が増えることとなります。これが弱化からの復帰です。

 例えば、ある国では飲酒が法律で禁止されたとします。酒飲みのとっては、お酒には好子出現の効果がありますが、法律を破ると罰せられるので禁酒を守るようになります。これが弱化です。その後、法律が変わって飲酒が許可されるようになると、再びお酒を飲む行動が増えていきます。これが「弱化からの復帰」に相当します。【もっとも、最初からお酒を飲まない人は、法律がどう変わっても変化はありません。この場合は、そもそも、飲酒行動に好子が出現していないと考えられます。】

 もう1つ、スピード違反の取り締まりも例に挙げることができます。時速40kmに制限されている道路で、何の取り締まりも行われなければ、50km/h、60km/hというように制限を超過して走行する車が続出するでしょう。速く走ったほうが、目的地に速くつける(=好子出現)ことで強化されているからです。そこで、警察がスピート違反の取り締まり(付加的弱化随伴性)を重点的に行ったとします。とうぜん、速度制限超過という行動は弱化されます。その後取り締まりを止めれば、ふたたび猛スピードで走る車が出てくることでしょう。なお、スピードを出し過ぎると、いずれは交通事故という嫌子出現に見舞われることでしょう(自然随伴性)。但し、事故の確率はそれほど大きいものではなく、また、万が一事故で死んでしまえば強化も弱化もそれで打ち切られますので、スピード出しすぎが、交通事故という嫌子によって弱化される機会は殆どありません。やはり取り締まりが大切です。

 次に「部分弱化」ですが、これは、好子出現における「連続強化」や「部分強化」に対応しています。要するに、行動が起こるたびに必ず嫌子が出現すれば「連続弱化」、一定の確率で部分的に嫌子が出現するのが「部分弱化」です。上述のスピード違反取り締まりの例で言えば、毎日行うのが連続弱化、時たま行うのが部分弱化ということになります。素朴には、時たま取り締まりを行っても十分な抑止効果があると思われますが、好子出現における「部分強化効果」に相当する「部分弱化効果」がどの程度見られるのかはケースバイケースであると言えます。後述するように、弁別刺激の有無が重要な役割を果たしていると思われます。【仮に、毎週月曜日に限って取り締まりをすれば、月曜以外にはスピード違反が増えるでしょう。いっぽう、平均すると週1回のペースでランダムに取り締まりを行えば、曜日という弁別刺激が存在しなくなるので、どの曜日でも抑止効果が期待されます。】

 次回に続く。