【思ったこと】 140921(日)日本心理学会第78回大会(12)ACTとマインドフルネス(7)マインドフルネスについての私なりの理解(4)マインドフルな人は?
3回連続となるが、昨日に続き、マインドフルネスについて私が理解した点を箇条書きにしておく。
- 「マインドフルネスな状態」とはマインドフルネス瞑想やそのほかの介入や自発的訓練を通じて達成される状態のことを言う。これを測る尺度として、「Five Facet Mindfulness Questionnaire(FFMQ)」が開発されている。ネットで検索したところ、英語版がこちらに、またこちらのサイトのなかに日本語版が公開されていることが分かった。いずれも、5件法39項目から構成されているが、マニュアルは含まれていない。なお、これらの質問項目は
- Observe items:観察→自分の体験に注意を向ける
- Describe items:描写→自分の体験を適切な言葉で表現する
- Act with Awareness items:意識した行動→現在の行動に注意を向ける
- Nonjudge items:判断しないこと→自分の体験に批判的・評価的に接しない
- Nonreact items:反応しないこと→自分の感情に過剰に反応せずそのまま受けとめる
から構成されているという。マニュアルが手元に無いので、私自身がどの程度マインドフルなのかは不明だが、単に総得点が高いか低いかだけでなく、どういう部分はマインドフルで、どの部分は欠けているのかを知ることは有意義であろうと思う。【いま注文している本のどれかにマニュアルが含まれているものと思う】
- いっぱんに、社会的場面での活動性は幸福感の源泉となるが、1ヶ月の縦断研究で、マインドフルの人の場合は活動性が低下しても幸福感は低下しにくいという結果が報告されている。
- 瞑想未体験の人の場合は、「体験の観察」は逆効果であるという指摘もある。
- マインドフルな人は、プライミング効果が現れにくい。
- マインドフルな人は、嫌悪誘導をされても道徳判断に影響しない。
- マインドフルネスは、自動化・習慣化した考え方から離れるという点で「批判的思考」と共通しているが、考えることではないので、批判的思考とは異なる。←クリティカル・シンキングは私の授業でも必ず取り上げているが、非常に多元的であり、場数を踏まないと身につけられないように思う。なお、主観的な確率判断や誤った推論などは、感情的な判断を完全に除去しても起こりうる。場合によっては数学的な知識や分析的な思考を磨く必要がある。よって、いくらマインドフルネス訓練を積み重ねてもそれだけで、批判的思考ができるようになるとは到底思えないように思う。
- マインドワンダリング状態(現在遂行中の課題に無関係なイメージや音声、思考などが浮かんでくること。【こちらに参考情報あり】)だと幸せが逃げる。
次回に続く
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