じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 150530(土)哲子の部屋「どうしたら“恋”できるの?」(5)選択のパラドックスと“これ性” 5月26日の日記に記したように、この番組ではまず、18歳〜34歳の日本人若者の中で「未婚で異性の交際相手がいない」比率が、男性61.4%、女性49.5%に達しており、1992年以降の推移で最多となっているというデータが示されていた。そしてその原因の1つを情報過多であることに帰属させ、後半のほうでは
上記の論点は、シュワルツや、アイエンガーが主張する「選択のパラドックス」や「選択の技術」の知見と共通するものである。特に、 Barry Schwartz (2005). The Paradox of Choice: Why More Is Less. 【ハードカバー版は2003年刊行】 は大いに参考になる。特に、千葉雅也先生が提唱されていた、
まず、情報過多の弊害があるからといって、多すぎる情報を一方的に遮断すればそれで済むわけではない。重要な情報を取捨選択するにはクリティカルシンキングの目を養うことが大切だ。さらには、追求者(maximizer)タイプの人は満足者(satisficer)に変身していかなければならない。といって「ヘンシーン!」と叫んだだけでは何も変えられない。選択の際にどういう心理学的要因が働いているのか、また、(選択肢を)比較することや(選択の結果についての)後悔することの心理を学ぶ必要がある。【2013年8月22日の日記にSchwarzの最終章の要約あり。アイエンガーの講義についての記事も合わせて参照されたい。】 。 でもって、いちおう心理学の知見が役立つとは書いたが、最終的に「これは、これでいい」に納得するためには、哲学的な裏付けも必要になってくるかもしれない。それが老荘思想なのか、仏教への信仰になるのか、番組でも紹介されていたドゥルーズを学ぶのがよいのかは、人それぞれであろうが...。 |