じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 昨日に続いて大学構内のキノコの写真。7月中旬に入り大型のキノコが出現するようになってきた。写真上は、お椀型で凹みの中に腕時計が入るほどの大きさ。凹みは乾燥や湿気により、傘がめくれてできたのではないかと思われる。

2015年07月09日(木)


【思ったこと】
150709(木)『嫌われる勇気』(11)「性格」ではなく「行動スタイル」(1)

 今回は昨日の日記の中で、

2.個体差の大部分は、関心空間の違い、身につけているスキルの違い、確立操作の違い、弁別刺激の違い、習得性好子や習得性嫌子の違いにとして説明できる。

と述べた点について、私の考えを述べていきたいと思う。

 まず「関心空間」というのは、環境の部分集合のことである。同じ時間、同じ場所に居合わせた人が異なる行動をするのは、性格の違いによると思われがちであるが、そもそも、「同じ時間、同じ場所」にいるからといって環境が同一であるという保障はない。それぞれの人は、「同一環境」なる全体環境ではなく、その部分集合である「関心空間」の中で行動しているにすぎない。

 ではそれぞれの人の関心空間はどのように決まるのか? これは、その人にとって、何が習得性好子や習得性嫌子になっているのか、何が弁別刺激となっているのかなどに依存している。また、お腹の減った人や喉の渇いた人がいれば、環境要素の中の食物や飲料水との関わりが強くなる(確立操作)。さらに、何らかのスキルに長じている人は、それに関連した行動が起こりやすくなる。例えば、南の島で数日間を過ごす人たちのうち、スキューバダイビングが得意な人、あるいはサーフィンが得意な人では、それらのスキルに関連した行動が起こりやすくなるであろう。

 いずれにせよ、さまざまな性格表現のかなりの部分は、「行動スタイル」に置き換えることができる。例えば、「几帳面な性格」、「マイペースな性格」、「内向的な性格」はそれぞれ、
  • 几帳面な性格→規則的な日常生活や、自分の行動をモニタリングする行動が強化されている人。予定表を作る行動が強化されており、予定表や時計を弁別刺激として行動することが強化されている人。
  • マイペースな性格→集団の中で行動するにあたって、他者の希望や多数派の行動傾向を弁別刺激とせずに、自らの強化履歴によって形成された独自の習得性好子や習得性嫌子によって強化されるような行動機会を選んでいる人。
  • 内向的な性格→他者との交流が習得性好子になっていない人。他者と交流するスキルが強化されていない人。または他者との交流が習得性嫌子になっている人。
というように、行動スタイルの違いに置き換えることができる。

 不定期ながら次回に続く。