じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 岡山では、
  • 7月13日 最低気温26.0℃、最高気温35.4℃
  • 7月14日 最低気温25.5℃、最高気温35.0℃
と、2日連続で猛暑日となった。また、7月14日は日照時間が11.1時間と10時間を超えた。7月の日照時間としては最も長く、また、日照時間が10時間以上となったのは6月28日以来のことであった。

 写真は久しぶりに眺めることができた日没風景【写真上】と、金星・木星【写真下】。2つの星の位置関係は、7月3日からさらに変化した。なお、金星は7月10日に最大光度マイナス4.5等となった。

2015年07月14日(火)


【思ったこと】
150714(火)『嫌われる勇気』(14)すべての悩みは「対人関係の悩み」であるか?(1)

 昨日の続き。今回より第二夜(第二章)に進む。この章は「すべての悩みは対人関係」となっており、これまた、えっ?ホンマかいな、と思わせるタイトルになっている。

 まず冒頭では、自分のことが嫌いな人は、本当は「自分を好きにならないでおこう」と決心しているのであり、自分を好きにならないことがその人にとっての「善」になっているのだろ指摘されていた【63頁】。また赤面症が治らない女性は、じつは彼女自身が「赤面という症状を必要としている」のであるという。つまり、現在できないことがある原因を赤面症に帰属させれば、「赤面症が治ったら私だってできる」という可能性の中に生きることができるというのである【65頁】。

 いずれの場合も、「自分が嫌い」の真相は、じつは、自分を好きにならないでおこうということであり、そこには「他者から嫌われ、対人関係で傷つくことを過剰に恐れている」という背景があり、「他者との関係の中で傷つかないこと」を目的として他者との関わりを避けるようになるというように説明されていた。

 対人関係の問題は、アドラー心理学の5つの前提の1つ「社会統合論(Social Embeddedness)」に関係しており、本書全体で扱う中心的なテーマとなっている。ということで、今回は、あくまで、「すべての悩みは対人関係」と言い切れるかどうかについて考えてみることにしたい。

 まず、無人島に流れ着いて独り暮らしをしている人には悩みは存在しないのかという素朴な疑問が浮かぶ。もちろん、その人が故郷に帰りたい、家族に会いたいと切望しているのであれば、それらは、対人関係が断たれていることに起因した悩みになる可能性はある。しかし、そのことを除いたとしても、日々の独り暮らしの生活の中で、食料調達、気象、危険な野生動物などとの関係で悩みが生じる可能性はある。さらに年老いていけば、病気に関する悩みが増えてくることも想定される。であるからして、「すべての悩みは「対人関係の悩み」である」というのは少々言い過ぎであり、人それぞれにおいて、対人関係以外の悩みもそれなりに持ち合わせているのではないかという気がする。

 もっとも、日々報道されている事件や自死などの多くは対人関係に起因するものであり、また、本書の読者の中にも対人関係に悩みを抱えた人が多いのではないかと推察される。プラグマティックな真理基準から言えば、何はともあれ、本書を読むことで対人関係上の悩みが解消できるのであれば、それは喜ばしいことであると言ってよいだろう。

 不定期ながら次回に続く。