じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 時計台近くで工事をしていたので見に行ったところ、「ももちゃり」ポートが造られていることが分かった。利用方法はこちら。1回利用(60分以内)は100円、1日利用(日にちをまたいでも24時間以内なら可)。1ヶ月利用1000円などの利用プランがあり、事前登録が必要なようだ。

 利用のメリットだが、自分で所有している自転車と異なり片道利用(乗り捨て)ができる点、長期利用プランであれば比較的安いこと、駅近くでも駐輪(返却)できることなどが挙げられる。デメリットとしては、特定ポートが満杯になっていて返却できない可能性、逆にポートに足を運んでもすべて貸し出し中になっている可能性などが考えられる。詳しく調べていないが、何かしら対策がとられているものとは思う。

2015年08月26日(水)


【思ったこと】
150826(水)『嫌われる勇気』(46)「関係フレーム理論」、「ACT」との比較(5)

 昨日の続き。

 昨日も引用したハリス(2012)の『よくわかるACT:明日からつかえるACT入門』では、第11章のところに、価値について詳細な説明があり、大いに参考になる。

 まず、何が価値なのかについては、
  1. 継続的な行動:どのように行動したいか、つまり何を続けていきたいか
  2. 包括的な性質:「○○したい」と思うときは、単にそれを継続するというだけでなく、さまざまな性質や付帯的な価値が包括される。
  3. 望ましさ:但し、義務的に「望ましい」ではなく、意識的に選択されたもの。
などが挙げられている【321〜323頁】。

 続いて、
  • 価値は「今、ここ」にあるものでゴールではない。コンパスのようなものに喩えられる。
  • 願望、欲望、必要は継続的な行動の指針ではないので価値とは言えない。
  • 価値は感情ではない。
  • 価値は、自分にとって重要なものを言語化した表現にすぎない。但し、その表現が社会的に良いとみなされる場合は「美徳」と呼ばれる。また、社会的に望ましくない価値を統制するために、モラル、倫理、行動規範が設定される。もし、価値の正誤や善悪が話題になったとしたら、それは価値自体の議論から話題が移ってしまったことを示す。
  • 価値は優先順位をつけるはたらきをする。
  • 価値は「軽く」持っているくらいの感覚がよい。価値に固執しないこと。
  • 価値は自由に選択できる。

といった点が挙げられている。

 以上の部分だけを読むと、利己主義的なライフスタイル、さらには、悪人として生きることも、それ自体はどこでも否定されていないように見える。例えば、泥棒が、金品を盗むこと、あるいは盗む技術の向上に価値を見出しているとしても、「価値は自由に選択できる」のだからエエじゃないかという議論が出てくる。もっとも、人間が集団で暮らしていく中では、結果的に、協調的、協力的な効果をもたらす方向で価値が形成され、対立的、破壊的な効果をもたらすものは、少なくとも集団内部では自浄されていく傾向があるように思われる【←もちろん、強い個体が弱い個体を支配するような体制も作られやすいが】。このWeb日記で何度か取り上げたことがあるが、泥棒で有罪になった人たち100人を絶海の孤島に送還して自給自足の生活をさせたとすると、彼らは結果として、協力しあうか、最も強い者が支配者となって隷属させられるか、一定の対立を残したうえで均衡を保つか、いずれかのスタイルで暮らすことになる。いずれにせよ、生産活動なしには生きていけないので、泥棒に価値を見出すことは結果としてできなくなる。同じことは、殺人犯たちを孤島に送り込んだ場合についても言える。当初はお互いに殺し合いを始めるかもしれないが、生産活動に必要な人員が確保できなくなれば、むしろ協力しあうようになるだろう。少々飛躍してしまったが、要するに、利己主義的なライフスタイルがはびこるかどうかは、その社会の内部における格差や資源、生産能力などに依存しており、モラルや倫理の効果には限界があるという気もする。

 不定期ながら次回に続く。