じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 関西大学千里山キャンパスの風景。これまで、関関同立4大学のなかで関西大学だけは訪れる機会が無かった。第一印象としてはとにかく広いということ。大学の公式サイトによると総面積は35万平米。それでも岡大津島キャンパスの64万平米ほどではないようだ。

 スゴイと思ったのは、阪急関大前駅からエスカレーターつきの専用通路が設置されていること。但し夜間は閉鎖されるようである。エスカレーターでは、殆どの人が大阪仕様で右側に立っていた【写真上段中】。

 なお、新幹線・新大阪からの最短ルートは、地下鉄御堂筋線、阪急経由が推奨されている。1日目は時間に余裕があったので、地図を頼りにJR吹田駅から歩いてみた。所要時間は駅出口から大学の入口までおおむね50分。車の通行が多く坂道になっているためあまりオススメできない。

2015年11月15日(日)


【思ったこと】
151115(日)理論心理学会公開シンポ(1)

 13日の日記に記した通り、11月14日(土)〜15日(日)に関西大学千里山キャンパスで開催された、

日本理論心理学会 第61回大会

の公開シンポに、両日とも参加した。

 まずは、特に印象に残った点をメモしておく。
  • 11月14日午後:第一部 心理学の将来のあり方を考える
    • 全体として、キリスト教的な「絶対的真理の探究」から「プラグマティックな真理基準」を志向、もしくは、そういう潮流の中でしか心理学は発展しないというような主張が主流を占めていたように感じた。
  • 11月15日午後:第二部 心理学の将来の方法論を考える
    • 「こころのダイアグラム」で、「覚醒度」の高低と「快適度」の高低の直交軸からなりたつ二次元空間と、「心の安定」の高低と「心の活性」の高低の直交軸は45°回転している。
    • カオス的非線形の世界では、複雑な現象であるからといって多数の要素が関与しているということには必ずしもならない。初期値のわずかな違いが時間経過とともに大きな違いを生む。よって、機械論的決定論の前提を満たしていても、予測できない変化が生じることがありうる。
    • 複数の話題提供者から、個々の変数は独立したものではなく、全体を反映し全体に影響を与えているといった事例が提供された。世界仮説の分類で言えば、機械主義から有機体主義、文脈主義への転換という気がしないでもないが、あくまで機械主義の立場を貫くとしても、非線形、もしくは東洋的科学の発想が必要
    • ベイズ的アプローチは、従来の有意差検定のアプローチに重大な転換を迫るものである。APAでもすでにベイズ派が多数を占めるようになり、心理学の統計教育は近い将来大きく変わるであろう(すでに、W大では1年次生からベイズ的アプローチを重視した統計教育が行われいるという)。
 いずれの回も3時間30分というように時間をたっぷりとってあったが、それでもなお、時間が足りなくなり、指定討論者からの質問が一部カットされたり、フロアを交えた討論の時間が殆ど無くなるといった点は少々残念であった。それでも、90分程度で終了する日本心理学会などのシンポに比べれば、かなり深い議論ができていたのではないかと思われた。