じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
2月12日の東京株式市場の日経平均株価は前日より760.78円安の14952.61円となり、2014年10月21日以来、約1年4ヶ月ぶりに1万5000円を割った。また、昨日の日記にも記したように、外為市場では一時1ドル110円97銭、NY原油(ドル/バレル)は−1.24ドル安(-4.52%)の26.21ドルまで下落するなど混乱が続いている。世界の市況によると、その後、NYダウ工業株30種が313.66ドル高の15,973.84ドル、ドル・円は1.12円安ドル高の1ドル113.28-113.30円、NY原油は1バレル3.23ドル高の29.44ドルというようにいくぶん回復傾向にはあるものの、月曜日以降には春節で休場となっていた中国での混乱も予想され、予断を許さない情勢となっている。 画像は、モーサテの正月明け企画でゲスト解説者が予想した2016年の日経平均株価とドル円相場の予想(※)。日経平均株価では強気派シナリオでは28000円、弱気派シナリオでも16000円までの下落しか予想しておらず、すでに大外れとなっている。ドル円予想のほうも、これほど急激な円高までは予想されていなかった。 ※左下の「7:09」の時刻が入っている画像は榎戸教子さんの「日経モーニングプラス」の際の予想。 ま、画像にも出ている通り、予想日当日のシカゴ日経平均先物は18040円、ドル円は119.41円、原油は33.97ドルとなっており、今回のような急激な変動は予想しづらかったという面もある。 |
【思ったこと】 160212(金)『嫌われる勇気』(68)100分de名著(2) 2月9日の続き。 順序が前後するが放送第1回の冒頭で岸見先生は もしこのアドラーの考え方が浸透すれば個人の人生はもとよりこの世界が変わる。いま生きづらいと思っている人はまずこの本を読んでから自分の生き方を見直さないともったいない。と言っておられた。 アドラー心理学に共感した人も、結果的に馴染めなかった人も、とりあえずはアドラーの本、もしくは解説書を読むことには意義があるように思う。もっとも最近では自己啓発書コーナーなどに、アドラーの主張の都合のいい部分だけを取り込んだ便乗商法まがいの本も出ていると聞く。その点、『嫌われる勇気』は、ビジネス書のジャンルとして扱われているものの、アドラー心理学の入門書として高く評価できるのではないかと思う。 もっとも、「アドラーの考え方が浸透すれば個人の人生はもとよりこの世界が変わる」という点については悲観的にならざるを得ない。第1回目放送の前半で、アドラーは、第一次大戦を通じて「闘わないためには何をすべきか」という観点から「人間は仲間である」、これからどうすべきかを考えていったと論じられていたが、少なくとも、ファシズムの台頭や第二次大戦勃発を食い止める力は持たなかったようである。 ウィキペディアによると、アドラーが亡くなったのは1937年5月28日であるが、『人生の意味の心理学』が刊行されたのと同時期には、ファシズムが台頭し、2年後には共和政府が倒されている。また、アドラー自身は1935年に一家でアメリカに移住している。あの時代に説かれた「共同体感覚」が、いまの時代(←といっても一部の恵まれた自由主義社会だけかもしれないが)に同じ意味を持つのかどうかについても検討していく必要があるように思う。 次回に続く。 |