じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 4月のウォーキング総括。
 2016年4月は、総歩数36万8248歩、1日あたり平均1万2275歩となり、基準の1万2000歩を上回った。もっとも、4月は4月8日の日記に記したように、4月2日の新入生オリエンテーション時に換気の不十分な満員の教室に長時間滞在したおかげで、翌日から偏頭痛が発生し、丸1日寝て過ごした日もあった。そのため、1日の歩数がわずか59歩という、これまでの最少新記録更新の日もあった。その後、1万5000歩〜1万8000歩を合計5回達成したこともあって、平均値としては何とか、1万2000歩以上をキープできた。
 なお、今月より「しっかり歩数」の集計を中止することにした。使用中の歩数計では歩き始めてから10分以内に一度でも立ち止まるとリセットされてしまう仕様となっているのだが、実際には赤信号や写真撮影のために立ち止まることが少なくない。けっきょく、それぞれの日の実質的な運動量を適確に反映していないのではないかというのがその理由。

※グラフはいつもの通り、毎日の歩数を少ない順に左から並べたもの。左端の落ち込みは、その月に何らかの事情で歩数が少なかった日があることを示す。右端はその月に最も多く歩いた日の歩数。グラフが12000のあたりで水平になっているほど、毎日の歩数がほぼ安定していたことを意味する。

2016年05月1日(日)


【思ったこと】
160501(日)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(14)般化(2)

 昨日の続き。

 原書25頁(翻訳書36頁)では、後続事象の般化(Generalization)について言及されていた。
This does not apply only to antecedents. Events that function as reinforcing or punishing consequences are generalized, as well. Friendly behavior may be encountered in many different forms, but regardless of the differences it can still have the same reinforcing function. The same goes for the things that often function as punishers, like being criticized, for example.
これは,先行事象に限られたことではない。強化的または弱化的な結果として機能するような出来事においても般化が生じる。親しげな行動は,実にさまざまな形態がある。しかし,このようむ違いがあるにもかかわらず,同じ強化的な機能を持つことができる。また,弱化子【←嫌子】として機能することが多いような事柄(たとえば批判されるなど)についても,同様のことが言える。
 確かに「親しげな行動を示す」(強化機能)にも「批判的な言動」(弱化機能)にもいろいろなタイプがある。ある程度の般化が無ければ、コミュニティの中で有効に機能するのは困難であろう。もっとも、これらは特定の条件のもとで形成された習得性好子や習得性嫌子が類似の刺激・出来事に般化するわけではない。多様な条件のもとで場数をこなしていく中で、相互に般化していくと考えていくべきであろう。

 例えば、「ありがとう」という言葉は特定の人から発せられたことで習得性好子となり、それが別の人の発する類似の発声「ありがとう」に般化したというわけではあるまい。コミュニティの中でいろいろな人から「ありがとう」と言われ、それらがほぼ共通して裏付け好子に連動していることが、強化機能をもたらしていると考えるべきであろう。もちろん、たいがいはまず家庭内で「ありがとう」が使われ、それが幼稚園、近所、小学校、...というように拡大していくであろう。

 同じページには般化強化子(generalized reinforcer)【←般性習得性好子】としてお金があげられている。
In our experience, it has been associated with other things that have been reinforcing, giving these pieces of metal and paper reinforcing functions in themselves. Money has acquired this function by association with such a large number of other reinforcing functions that it becomes a generalized reinforcer.
お金は,条件性強化子(二次性強化子)である。経験的によく知られていることだが,金属片や紙切れがほかの強化的なものと関連づけられることで,それ自体が強化的な機能を持つようになる。お金は,そのほかの実に多くの強化的な機能と関連づけられることで,その機能を獲得していき,般性強化子(genera1ized reinforcer)となるのである。

 この場合も1つ前に挙げた「ありがとう」と同様であって、お金と裏付け好子とのさまざまな交換体験が積み重なって般性習得性好子として形成されていくことに留意する必要がある。特定の交換関係、例えば1000円札で何かを購入(=交換)したことが、900円や1100円というお金に般化したわけではあるまい。

 以上2回にわたって述べたように、般化という言葉を使う際には、何をもって「似ている」とするのかを見極める必要がある。また、オリジナルの学習体験が新奇な別の場面に般化するのか、それとも、多様な体験が蓄積してあるカテゴリー(上掲の例で言えば「感謝」、「お金」、「批判」)が共通した強化機能、弱化機能を持つようになるのかという、習得性好子(嫌子)の形成プロセスにも留意する必要があるように思う。

 なお、お金が習得性好子であるか?という問題については以下の記事を合わせてご参照いただきたい。

 次回に続く。