じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 160526(木)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(31)派生的関係反応(2)シドマンの研究と用語上の区別 5月25日の日記で取り上げた刺激等価性クラスの一連の研究はシドマン(Murray Sidman)らが行ったものであった。シドマンはもともと、「シドマン型回避条件づけ(Sidman Avoidance)」という名が冠せられているように、回避条件づけのパイオニアとして知られていた。また、 Sidman, M. (1960). Tactics of scientific research: Evaluating experimental data in psychology. New York, NY: Basic Books. という著書は、行動分析学の研究の基本的な方略を述べた指南書として、当時の学界に大きな影響を与えた。リンク先の英文ウィキペディアでは His 1960 text, Tactics of Scientific Research, is considered the first primer on within- subject research methodology. It is a classic that is still used today.というように紹介されている(「a brief biographical sketch from the 2004 CALABA program」からの引用)。日本での大会で、私のポスター発表のところに来られた時に、上記の1960年の御著書を拝読して感銘を受けたと挨拶させていただいたことがあった。 少々脱線したが、刺激等価性クラスを論じた著書としては、 Sidman M. (1994) Equivalence relations and behavior: A research story Boston. があるようだが、私の手元にはない。 本人による分かりやすい解説としては、 Equivalence Relations and Behavior: An Introductory Tutorial.【Anal Verbal Behav. 2009 Dec; 25(1): 5-17. 】 があり、無料で閲覧できる。 このほか、
なおシドマンの一連の研究と、関係フレーム理論では、異なる用語が用いられている点に留意しておく必要がある。原書63頁(翻訳書88頁)の原注には The terms "mutual entailment" and "combinatorial mutual entailment for the phenomena described are used here as in the theory described in this book: relational frame theory (RFT). However, other terms for these phenomena can be found in the literature. Sidman uses the term "symmetry" for the former and "transitivity" for the latter. The term "stimulus equivalence" is often used for the phenomenon as a whole.という断り書きがある。 次回に続く。 |