じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 160801(月)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(82)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(18)自己の体験の3つの側面(1) 昨日の続き。 今回よりいよいよ、「自己の3つの側面」という核心的部分に入る。この節の冒頭では、 Not only do I see a rainbow and see my seeing a rainbow, I also see that I am the one seeing a rainbow; I see that I am seeing it from a specific perspective, and that a different perspective is possible. This takes place through relational framing as developed by our verbal training.という、従来の行動分析学では想定していなかったような多様な視点が提示されている。 続いていよいよ、自己の3つの側面の概要が、「視点としての自己(Self-as-Perspective) 」、「プロセスとしての自己(Self-as-Process)」、「物語としでの自己, あるいは概念化された自己(Self-as-Story, or the Conceptualized Self)」の順に論じられている。 この3つの側面というときに「3つ」は、何が何でも3つでなければならないという主張を含むものではない。 This is not to say that these three cover all of the possibilities or that other aspects of self aren't valid or useful, but for behavior analytic purposes we need these three aspects.【原書107頁】と述べられているように、「3つ」は必要条件ではあるが十分条件ではないとされている。 さて本書では、「3つ」の視点の1番目として「視点としての自己」が挙げられている。他の入門書などでは、この側面は、 THE TRANSCENDENT SELF(Self-as-context):「超越的自己」「文脈としての自己」「純粋なる気づき」 などと呼ばれることもあり、「3つ」の中では最も難解である。但し、本書ではその解説に先立って、視点取りや心の理論について詳述されているため、いちばん取っつきやすいとも言える。重要な点は、視点取りを般化オペラント行動と見なす点である。 Perspective taking is seen as a form of generalized operant behavior that involves having the child learn to relate stimuli from a certain perspective: I versus you, here versus there, and now versus then (Y. Barnes-Holmes, McHugh, & Barnes-Holmes, 2004). 【原書105頁】この考え方について、すでに言及している、 Barnes-Holmes, Y, McHugh, L., & Barnes-Holmes, D. (2004). Perspectivetaking and theory of mind: A relational frame account. Behavior Analyst Today, 5, 15-25. という論文で詳述されており、論文タイトルを検索語にすることで無料で閲覧可能。 次回に続く。 |