じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 岡大西門・西側の文化科学系総合研究棟前に謎の花壇が出現した。守衛さんと立ち話した限りでは、年配の男性が農耕機具を持って空き地を耕し、蔓物の園芸植物を植えたものらしい。放送大学もしくは法科大学院の関係者と思われるが、詳しい経緯は不明。

2016年08月02日(火)



【思ったこと】
160802(火)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(83)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(19)「般化オペラント」についての復習(1)

 昨日の日記で視点取りを般化オペラント行動と見なす点に留意すべきであると述べた。少々脱線するが、ここで「般化オペラント」について復習しておくことにしたい。

 「般化オペラント」については、

Hayes, S. C., Barnes-Holmes, D., & Roche, B. (Eds.). (2001). Relational Frame Theory: A Post-Skinnerian account of human language and cognition. New York: Plenum Press

のほうに、より詳しい解説があった。

 まず、そもそも「オペラント」とは何か?から明確にしておく必要がある。
Skinner used the term "operant" to describe classes that are formed by their functional effects in given contexts. Skinner was quite clear that the form or topography of a response is insufficient to determine its status in a functional analysis. Additionally, there is no restriction on the size of an operant, as long as similar discriminative and consequential control can be demonstrated over the unit constructed by the behavior analyst. Even a large unit of behavior with widely varying topographies, such as writing a novel or driving to the beach, might be usefully analyzed as an operant. 【原書22頁】
 ここで述べられているように、オペラント反応とかオペラント行動というのは、ある瞬間にある場所で起こった1回限りの出来事ではなく、「クラス」として定義されている。この「クラス」はしばしば、形態的な類似性に基づいて定義されるが、それでは不十分。本来は機能的に定義されるものであり、また、どの範囲までを1つのクラスに含めるのかについては、特段の制限があるわけではない。同じ弁別刺激や強化刺激によって制御されるのであれば、違う部位の筋肉が関与していても、見た目には形の違う反応であっても、よりマクロな、同じクラスに含まれる行動として扱われることがある。上記では、例として「小説を書く」や「海岸までドライブに行く」といった行動が挙げられている。

 とはいえ、臨床行動分析や応用行動分析では、形が似ている行動を1つのクラスと見なすケースが少なくない。実験的行動分析場面では、機能的な分類と形態的類似性に基づく分類(functional/formal distinction)についてはあまり厳密に区別する必要はない。原書23頁ではスキナーボックスでのラットのバー押しが例に挙げられている。「バーを押す」という行動のクラスは、反応の形態的類似性で分類しても、機能的に分類しても、ほぼ同じ範囲に収まる。しかし、関係フレーム理論において「般化オペラント」の概念を拡張する場合には、機能的な定義というのが決定的に重要となってくる。

 次回に続く。