じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 8月12日(金)は平日であるが、岡大の一斉休業日に指定されているため、大学周辺は普段の休日以上に閑散としていた。写真は大規模環境整備工事がほぼ完了した岡大・南北通り。通行人は殆ど見当たらない。

2016年08月12日(金)



【思ったこと】
160812(金)トーナメント戦による銀・銅メダル決定は不公平

 リオデジャネイロオリンピックも大会8日目を迎えた。日本のメダル獲得数は、金7、銀3、銅14となっており、現時点では金メダル獲得数、メダル獲得総数のいずれにおいても、アメリカ、中国に次いで第3位という健闘をみせているという。

 オリンピックが開催されるたびに毎回同じようなことを書いているが、私はどちらかと言えば、2選手あるいは2チームどうしによる対戦型競技よりは、あるいは、選手個人が個別にトライアルを行って記録を比較する競技よりは、競泳や競走種目のように、同じ瞬間、同じ場所で一斉に順位を競い合う種目のほうを好む。そういう競技のほうが、順位の決定が一目瞭然であり、ゴールの瞬間に最高の盛り上がりを見せるからである。

 このことに関連するが、トーナメント戦だけで順位を決定するというやり方は、2位以下の決定方式としてはかなり不公平であるように思う。このことについては1999年6月23日の日記ほかで論じたことがあるが、要するに、仮に、2番目に強い選手(チーム)があったとして、仮にその選手(チーム)が1回戦や2回戦で最強の選手(チーム)と対戦して負けてしまうと、実力は銀メダル級であってもメダル無しという結果に終わってしまうことに問題がある。対戦相手の組合せ自体は抽選などで公平に行われているものとは思うが、公平であるということと、運不運が左右するということとは違う。4年間練習に励んできた選手の努力を正当に称えるためには、できるだけ運不運を避けるような配慮が必要であるように思う。

 要するに単純なトーナメント方式で確実に言えることは、
  • 最強の選手(チーム)は、どのような組合せで対戦しても必ず金メダルをとれる。
  • 最弱の選手(チーム)は、どのような組合せで対戦しても絶対に金メダルはとれない。
という点だけであり、2番目に強い選手(チーム)は、最強の選手(チーム)と何回戦で対戦するのかによって銀メダル(決勝で対戦した場合)、銅メダル(準決勝で対戦した場合)、メダル無し(準々決勝以前で対戦した場合)のいずれのケースにもなる。もちろん、選手(チーム)の実力というのはそんなに固定されたものではないし、相性というものもあるが、とにかく、銀メダル獲得したからといって「2番目に強かった」という証明にはならないし、メダルを取れなかったからといって「2番目に強くはなかった」とは限らないと言える。

 ではどうすればいいのか。一番確実な方法は、第一段階のトーナメント戦で優勝者が決定したあと、その優勝者以外の選手(チーム)たちで銀メダル獲得のためのトーナメント戦をやり直すことであろう。仮に20名の選手で競技をした場合、第一段階の試合数は19(試合数=敗者の数)、第二段階は18試合となるので、合計37試合となる。20名でリーグ戦をした場合は20×19÷2=190試合となるので、リーグ戦に比べれば試合数の削減につながる。

 トーナメント方式の改良版としては、このほか、敗者復活型(パラマストーナメント(ステップラダー)、ページシステム方式)などがあるようだ。このほか、

●金メダル獲得者が決定した時点で、この金メダリストと対戦して敗れた選手たちだけで銀メダル獲得のためのトーナメント戦を行う。

という方法もある。論理的には、この方式の優勝者が「真に2番目に強い」と判定できるが、表彰式が相当期間遅れてしまうこともあり、興行的には盛り上がりに欠けることになるだろう。

 もう1つ、大相撲の取り組みのように、部分的なリーグ戦(すべての選手と対戦するわけではないが、一定数の試合を重ねる)を行うという方法もある。2番目に強い選手は、部分的リーグ戦で最強選手と対戦した場合は1敗するが2敗以上ということはない。対戦しなかった場合は、最強選手とともに無敗で勝ち残るので、(3番目以下に強い選手が、最強選手と2番目に強い選手と一度も対戦せずに無敗となった場合を除いて)、ほぼ銀メダルを獲得できるチャンスが保証される。もっとも、大相撲の場合もそうだが、実際には相性や偶然的要因などが重なって、多数の選手が1敗で並ぶということもありうる。この場合の決定戦が多すぎると煩瑣になり盛り上がりにかける恐れがある。