じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 台風10号による記録的な大雨の被害の全貌がつかみきれていないというなか、今度は台風12号が九州に接近している。画像が示すように、この台風の進路については、気象庁は9月2日朝の時点では、予報の中心が枕崎→阿蘇→隠岐の島を通ると予想していたが、9月3日朝には長崎→北九州→松江というように、若干の修正がなされた。いっぽう、米軍合同台風警報センター(JTWC) の予想では当初は甑島列島→長崎→韓国の東、その後、甑島列島→長崎→山口というように、やや東寄りに修正されている。台風10号の進路予想でも若干のブレはあったが、東北の太平洋側に上陸し日本海に抜けるという予想は的中しており、最近の予測技術の精度を示すものと言える。
 もっとも、今回の台風10号では、岩手県の山間部を中心に人的被害があった。今後の対策としては、高齢者や要介護者の避難を迅速に行う体制、また、「この地域では洪水になったことが無い」といった自己体験にとらわれることなく、地球温暖化に伴う気候変動をふまえて、過去に例の無い被害がどこでも起こりうるという前提のもとで対策を講じる必要があるだろう。

2016年09月02日(金)



【思ったこと】
160902(金)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(106)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(42)「般化オペラント」についての復習(25)「般化オペラント」のルーツ(10)

昨日に続いて

 Barnes-Holmes, D., and Barnes-Holmes, Y. (2000). Explaining complex behavior: Two perspectives on the concept of generalized operant classes. The Psychological Record, 50, 251-265.

に基づく般化オペラントの復習。

 冗長な定義という問題を避けるため、Catania(1996,7頁)は、般化オペラントの第二段階の定義として「different orders of contingencies(異なる階層の随伴性【←長谷川の暫定訳】)という概念を持ちだしている。
Like the various topographies of a rat's food-reinforced leverpressing, higher-order classes of behavior are held together by the common contingencies. In these cases, however, the contingencies are of different orders. For example, the contingencies that operate on the following of orders in general, which are usually social and verbal, are different from those that operate on the following of a particular order, which may be completely nonverbal (consider the military command to attack a machine gun nest across an open field of fire).
 この引用部分は、英文読解の問題にも使えそうな紛らわしい部分がある。「higher-order」という時の「order」は次元や階層という意味だが、そのあとの「following of orders」とか「following of a particular order」という時の「order」は「命令」という意味になっている。要するに、「何でもかんでも命令に従わなければならない」という随伴性と、個々の状況文脈において直接的に働く非言語的な随伴性は別々であり、それぞれの階層で機能しているということだ。

 もっともBarnes-Holmes & Barnes-Holmes(2000)は、このCataniaの第二段階の定義においても、
  • 言語的随伴性の定義に誤りがある
  • 「階層の異なる随伴性」という概念から、非般化オペラントと般化オペラントを的確に区別できていない。
といった問題があると批判している。

 次回に続く。