じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 9月6日に取り上げた台風13号は、結局、紀伊半島の南で温帯低気圧に変わった。この台風は、中心付近の最低気圧が1000hPaという、台風としてはきわめて弱いレベルのまま消滅した。とはいえ本州に横たわる秋雨前線が刺激され、9月8日21時時点での関東・東北の主要ポイントの72時間積算降水量は、
  • 北海道稚内市:224.0ミリ
  • 栃木県宇都宮市:159.0ミリ
  • 宮城県仙台市:114.5ミリ
  • 栃木県奥日光市:106.5ミリ
という大雨となった。岡山でも9月8日の未明から朝にかけて15.5ミリの強い雨が降った。

2016年09月08日(木)



【思ったこと】
160908(木)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(110)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(46)「般化オペラント」についての復習(29)RFTからみた般化オペラント(1)

昨日の続き。今回より再び、

Barnes-Holmes, D., and Barnes-Holmes, Y. (2000). Explaining complex behavior: Two perspectives on the concept of generalized operant classes. The Psychological Record, 50, 251-265.

に戻る。この論文の後半ではRFTが般化オペラントをどう定義するのか、さらに現時点(論文刊行時点)でどのような課題があるのか、といった点が詳しく論じられている。
  1. 派生的関係反応の概略
  2. RFTの立場から派生的関係反応を般化オペラントという形で説明
  3. RFTの立場で使用されている般化オペラント概念の検証
  4. RFTの定義する般化オペラントにタイするいくつかの批判とそれに対する現時点(論文刊行時点)での回答

 このうち1.についてはRFTやACTの入門書でも何度も取り上げられているのでここでは補足すべき点のみ記す。
  1. RFTはSidmanの刺激等価性クラスの概念の代わりに相互的内包、複合的相互的内包といった概念を使う。これは刺激の関係が必ずしも対称律、推移律を満たすとは限らず、より広い現象に適用するため。具体例としては、大小関係、熱い冷たいといった関係で対称律が成り立たないことなどが挙げられている【256頁脚注】
  2. RFTは刺激等価性クラスや派生的関係反応といった現象を般化オペラントの概念によってより一般化した形で説明することを目ざしている。但し、RFTでは、「般化」という接頭辞は、新しい概念あるいは従来と異なる概念を意味するものではなく、そのようなオペラントが純粋に機能的な性質をもつという点を強調する目的で使用される。

 なお8月31日の日記でも述べたように、こうした現象は、刺激の弁別や般化に関わる部分と、反応の般化に関わる部分に分けて考える必要がある。もともとのSidmanの研究は「刺激等価性」という言葉の通り「刺激」に関わる現象として扱われてきた。いっぽうRFTでいう「般化オペラント」というのは、オペラント、すなわち「反応」に関わる現象として扱われている。なぜ、刺激ではなく反応として検討していく必要があるのか、理由を明確にする必要があるだろう。これはおそらく、反応の機能的定義ということと密接に関連している。反応を形態的に定義(=トポグラフィーに基づく定義)している場合、その反応は形や動きだけで定義可能であるが、機能的に定義するとなれば当然、先行刺激や、その反応の機能をセットにして初めて「反応」として成り立つことになるからである。

 次回に続く。