じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
9月9日の岡山は最低気温は21.0℃、最高気温は30.2℃となり、日中はまだまだ暑さが残るものの、朝晩はめっきり涼しくなった。生協食堂2階から眺めるケヤキもいくぶん黄葉しており【写真上】、また、珊瑚樹の赤い実もさらに熟して黒っぽくなり、秋の訪れを感じられるようになってきた。 |
【思ったこと】 160909(金)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(111)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(47)「般化オペラント」についての復習(30)RFTからみた般化オペラント(2) 昨日に続いて、 Barnes-Holmes, D., and Barnes-Holmes, Y. (2000). Explaining complex behavior: Two perspectives on the concept of generalized operant classes. The Psychological Record, 50, 251-265. の後半部分、RFTの定義に関する部分を引用しながら復習を進めていくことにしたい。 論文の258頁に、 Relational frame theory clearly aims to provide an account of derived relational responding in terms of generalized operant response classes. Nevertheless, the question still remains: How exactly does RFT define the concept of the generalized operant? To answer this question, it should first be noted that for RFT a response class with an infinite variety of topographies is a defining property of operant behavior.と記されている通り、派生的関係反応を機能的に定義された般化オペラントにより説明しようというのがRFTの基本姿勢である。RFTは、般化オペラントを純粋に機能的定義するが、スキナーボックスのレバー押しのように機能的に定義しても形態的に定義しても殆ど変わらないケースもある。しかし、すでに述べた般化模倣のように、形態的に全く異なった反応が事前の訓練を受けずに生起するようになる場合もあり、形態的定義では現象をうまく記述することができず、どうしても機能的定義を採用する必要が出てくる場合もある。三項随伴性を拡張することでこの問題に対処しようとする論文もあるが、RFTの立場はきわめてスッキリしている。それこそが、純粋に機能的に定義するという立場である。なお、259頁には、このことについての留意点が記されている。 ...The key point here, is that for RFT these qualifiers are not used in this instance as technical terms, and they do not imply the existence of mediational processes leading to the formation of operants of this type. Instead, these qualifiers emphasize that a specific operant class cannot be defined by its response forms, a fact that is true in principle for all operant classes. In short, the prefix "generalized" is not used by RFT to make a technical distinction between two types of operant classes. Instead, it serves merely to emphasize the purely functional nature of specific operant classes, of which relational framing is but one example.要するに、「般化オペラント」が形成されるための内在プロセスのようなものは一切想定していない。ポイントは、形態的には定義できないような特別のオペラントクラスであることを強調するものであり、RFTでは「般化」という接頭辞はオペラントクラスに2つのタイプを分類する用語ではなく、オペラントクラスに純粋な機能的特徴があることを強調する目的で使われている。 次回に続く。 |