じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 文学部東側のアレチヌスビトハギ。広義のヌスビトハギ、もしくはクサハギ(シバハギ)、あるいは雑種の可能性もあり未確認。ネット上で紹介されている画像に比べると、葉っぱが細長いという特徴がある。大学構内では迷惑雑草化している。

2016年09月23日(金)



【思ったこと】
160923(金)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(113)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(50)「般化オペラント」についての復習(33)RFTからみた般化オペラント(5)

昨日の続き。

Barnes-Holmes, D., and Barnes-Holmes, Y. (2000). Explaining complex behavior: Two perspectives on the concept of generalized operant classes. The Psychological Record, 50, 251-265.

の最後の部分では、

2. 何らかの媒介的行動プロセス(mediating behavioral process)を見出す必要があるのではないか?

について否定的な見解が示されている。その要点は、以下の通り。【あくまで長谷川による意訳】
  1. オペラント反応や刺激クラスの中には形態的な共通性を持つものもあり、このことが要素-構造的な定義の模索を促している。であるならば、機能的定義に依拠しない構造的定義を明示し、その概念的・実証的基盤をしっかりと確立すべきであるが、現状ではそのような試みは成功していない。
  2. 多くの実験研究により(般化オペラントとされる)派生的関係反応にはオペラント反応の性質があることが明らかとなっている。これらは、媒介的行動プロセスなるものを仮定しなくても特徴づけできる。よって、そのようなプロセスを新たに必要とするような緊急性は見当たらない。
  3. すでに論じてきたようにRFTは帰納的に事実を積み重ねて構成される理論であり、仮説検証型の理論とは異なる。よって、研究の出発点においては不必要に前提は設けない。
  4. 「間接的柔軟性(indirect reflexivity)」のように媒介的行動プロセスに似ているプロセスも確認されているが、それらは関係フレーミングの枠組みにおける般化オペラントとして(例えば対称律に関する文脈的手がかり刺激として)説明可能であり、別のプロセスを想定する必要はない。
  5. 高次ネイミング(higher-order naming)や連結制御(joint control)のような媒介的プロセスと複数の範例による訓練、multiple-exemplar training)の2段階を想定した諸理論に比べると、RFTは「関係フレームの般化オペラント」という1つの概念のみで複合的な行動を説明しており、より簡潔で明快なアプローチと言える。


次回に続く。