じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 「60分×2」「クォーター制(4学期制)」を導入した岡大では、今週が第4学期の最終週となる。夕刻になると図書館前には大量の自転車が駐輪され、迷惑駐輪ながら、図書館利用者が多いことの現れと言える。また、朝8時前には、生協マスカットユニオンの屋外テラスでも勉強している学生たちの姿があった。

2017年2月9日(木)




【思ったこと】170209(木)ACTの価値論(15)価値と人生(1)

 昨日の続き。ハリスの332頁では、価値に取り組む方法として次の2つが紹介されている。【長谷川により一部改変、省略】 なおこれらはクライエントに接する際のスタイルについて述べたものであり、一般読者にそっくり適用できるとは限らない。
  1. 少々無味乾燥な,論理的,言語的・概念的手法で,これには価値についての話し合い,価値の分析,価値の論理づけが含まれる。つまり,価値を理詰めで理解しようとする方法である。この方法は,特に有効だとか,満足を得られるということがなく,たいていフュージョンと回避に迷い込むはめになる。迷い込んだことを見極めるのは簡単だ。セッションに活気がなく,理屈っぽく,退屈で全く満足できない内容になっていたら,その証拠である。
  2. もうひとつの方法は,知性ではなく「ハート&ソウル(心と魂)」を使う。ただ話したり考えたりする代わりに,実際に価値との接触を経験してもらえるよう,クライエントを導くのである。
 ハリスは「ACTがどちらの方法をとっているかは,考えるまでもないだろう」として、後者を推奨している。

 私自身は元来理屈っぽい人間であるため、2.よりは1.を好む。もっとも、「活動の束」論の立場から言えば、一筋の束であれ、複数の束であれ、それらを一定期間継続できる随伴性が確保されていればそれでよいと考えているため、価値に関していろいろ迷ったという経験はない。但し10歳代、20歳代の若者、あるいは、30歳代以降の人生で何らかの袋小路に迷い込んだ人たちにとっては重要な視点になるものと思われる。

 2.の「ハート&ソウル(心と魂)」というのはどうみても行動分析学的な表現ではないが、推奨されている「実際に価値との接触を経験」という体験重視の発想はまさしく行動分析学的と言える。

 次回に続く。