じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 一般教育棟構内構内(津島東キャンパス)に出現した大量の新品自転車。岡大生協が、入試の合格者(もしくは合格を確信した受験生)の新居探しに貸し出し、その後は新古車として売り出すものと思われる。毎年、これだけ大量の自転車が使用されるということは、ビジネスモデルとして成功をおさめているのであろう。

2017年2月16日(木)




【思ったこと】170216(木)オドノヒュー&ファーガソン『スキナーの心理学』(3)禅と徹底的行動主義

 昨日取り上げた「推薦」と前後するが、翻訳書の冒頭には、原著者による日本語版への序文が掲載されている。この中で興味深いのは、禅と徹底的行動主義との共通性についての記述である。

 序文によると、原著者はお二人とも日本文化に関心を持っておられるという。指摘されている共通点としては、
  1. 両者とも反二元論である。人は、「こころ」(霊魂)と「からだ」(行動)の2つから構成されているとする二元論に反対し、徹底して一元論に立っている。
  2. 人の行為そのもの、すなわち、オーバート(顕在的)な行動に注目し、思考とか感情ばかりにとらわれることに反対している。
  3. 第三に、両者とも事象の相互関係を強調し、全体論に立ち、そして還元論を否定している。たとえば、行為は行為そのものに意味があるのではなく、その行為が生ずる条件が行動に意味をもたらすのである。言い換えれば、環境と行動がいかに相互に関連するかが禅および行動主義の中心になっている。
という3点が挙げられている。禅についての捉え方が妥当かどうかについては私にはよく分からないが、上記1.と2.はまさに徹底的行動主義の特徴であると言ってよいと思われる。3.の「行為は行為そのものに意味があるのではなく、その行為が生ずる条件が行動に意味をもたらす」というのもその通りであって、これは機能的文脈主義の立場を言い表したものとも言える。

 なお、オドノヒューの著作は、こちらから、ファーガソンのほうはこちらから検索可能であるが、2010年以降の刊行はいずれもあまり多くないようである。また、禅に興味をお持ちということからみて、ACTやマインドフルネスについてどういう考えを表明しておられるのかが気になるところだが、関係を示す資料は確認できなかった。

次回に続く。