じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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2月22日の岡山は最低気温がマイナス1.9℃となった。気象庁統計によれば、2月に入ってから氷点下を記録した日数は、2月22日までで11日。ちょうど半分の日数となっている。 写真は1月30日の日記で取り上げた、岡大七不思議の1つ「不屈のモミジバフウ」。氷点下の寒さが続いたことでさすがに落葉が進み、上部の枝にわずかに葉を残すのみとなっている。 |
【思ったこと】170222(水)オドノヒュー&ファーガソン『スキナーの心理学』(7)第3章スキナーの背景(1) 第3章では、「スキナーの背景」というタイトルのもとに、スキナーに影響を与えた著名な哲学者、科学者が何人か挙げられている。 ここで留意すべきことは、誰がどのような影響を与えたのかということについては、いろいろな見方が可能であり、絶対にこれが正しいというような結論は導けないという点である。 仮に、スキナーが自叙伝の中で自分に影響を与えた研究者のランキングを記していたとする。しかしその影響の重みが、ランキング通りであるという保証はない。これは、よく売れている成功談や失敗談と同様。本人が語ったからといってそれだけでは影響のすべてを把握できているとは限らない。成功談や失敗談で語られているのは、あくまで本人が言語化できている一部の要因に過ぎない。別の人が、成功談で語られている条件をすべて揃えたとしても同じように成功できるとは限らないし、失敗談で語られている欠陥をすべて改善したとしても、同じ失敗が繰り返されないという保証はない。 ということで、第3章で挙げられている、ベーコン、マッハ、パブロフ、ソーンダイク、ワトソン、ダーウィンの6名がスキナーに影響を与えた先人Top6であるかどうかは絶対とは言えない。とはいえ、スキナー自身がそれらのお名前を挙げていること、スキナーの著作の中に、その影響の証拠を見出せることなどから、1つの有力な見方として成立することは間違いない。 なお翻訳書29頁で スキナーは多くの研究者から影響を受けているが、いずれも彼独自の要素を付け加え、けっして単なる延長線的発展に貢献しただけではない。それぞれの先人からいくつもの考え方を選び取り、独自の考え方をそれらに組み合わせ、新しい独創的な科学哲学と実験的アプローチにたどり着いている。と述べられているように、影響はあくまで影響であり、むしろスキナーの独創性に目を向けるべきであるとも言える。 次回に続く。 |