じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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岡山では2月22日夜から23日朝にかけて、この時期としては多めの合計12.0ミリの雨が降った。文法経グラウンドには「岡大湿原」が出現。霧の半田山とセットで趣のある風景をつくりだしていた。 |
【思ったこと】170223(木)オドノヒュー&ファーガソン『スキナーの心理学』(8)第3章スキナーの背景(2)ベーコン(1) 昨日の続き。 第3章ではまず、フランシス・ベーコンの名前が挙げられていた。ベーコンはシェークスピアと同時代の政治家・哲学者であり、シェークスピアはベーコンのペンネームだという説を唱える者もいるという。【ウィキペディアの該当項目参照。】 スキナーはもともと文学好きであり、シェークスピアをきっかけにベーコンの著作にふれたとされている。 ベーコンは観察と帰納法を重視したが、このことが行動分析学の研究姿勢に反映していることは間違いない。じっさい、1950年の論文「Are theories of learning necessary?」(Psychological Review, 57, 193-216.)などもこの考え方に基づいて執筆されたものと言ってよいだろう。 有名な4つのイドラは、スキナー『科学と人間行動』の第2章の中の「ONE IMPORTANT CHARACTERISTICS OF SCIENCE」に反映されているように思う。この節の冒頭部分を抜粋すると、以下のようになる。 Science is first of all a set of attitudes. It is a disposition to deal with the facts rather than with what someone has said about them. Rejection of authority was the theme of the revival of learning, when men dedicated themselves to the study of "nature, not books." Science rejects even its own authorities when they interfere with the observation of nature. 余談だが、スキナーの1948年刊行、 Card-guessing experiments. American Scientist, 36, 456-458. という、超能力実験のカラクリを指摘した興味深い論文があるが、これもベーコンの考えを忠実に適用していると言えないこともない。 次回に続く。 |