【思ったこと】170224(金)オドノヒュー&ファーガソン『スキナーの心理学』(9)第3章スキナーの背景(3)ベーコン(2)
昨日の続き。
第3章のフランシス・ベーコンに関する節の後半では、ベーコンの影響が以下の5点にまとめられていた。
- 知識を得るための最良の手段として観察と実験を強調する。
- 既存の信じられている仮説のテストではなく、帰納法こそが科学の方法論としてふさわしい。
- 科学は人間を助ける技術を生み出すものでなければならない。
- 文献から学ぶのではなく、自然から学ぶべきである。
- ベーコンがイドラと称した誤りに厳格でなければならない。
このうち、1.と2.は実験的行動分析の基本をなす考えと言える。但し、この2点だけからは、個体内比較実験の重要性や、機能的文脈主義の立場は導き出せない。3.は応用行動分析学の精神に反映している。4.は、思弁的な哲学ではなく、経験科学の重要性を説いている。最後の5.は、昨日も述べたイドラの回避に関するものであり、本書では、スキナーが4.つの点でイドラの回避に賛成していると指摘されていた。
なおスキナーの著書の中でベーコンがどの程度引用されているのかを手元の資料で調べてみたところ、
-
- Skinner(1953).Science and human behavior. New York: Macmillan.
索引にはBaconの記載なし。(フロイトSigmund Freudは15箇所。)
- Skinner(1969).Contingencies of reinforcement: A theoretical analysis. New York: Appleton-Century-Crofts.
32、82頁の2箇所。
- Skinner(1971).Beyond freedom and dignity. New York: Knopf.
25、151、166頁の3箇所。
- Skinner(1974).About behaviorism. New York; Knopf.
115、123、139頁の3箇所。
などとなっていた。
次回に続く。
|