じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】170228(火)オドノヒュー&ファーガソン『スキナーの心理学』(13)第3章スキナーの背景(7)ソーンダイク 昨日の続き。 第3章では、パブロフに続いて、ソーンダイクが取り上げられていた。 パブロフに比べると、ソーンダイクは、一般にはあまり知られていないように思われる。すぐに連想するのは「猫の問題箱」、「試行錯誤」、「効果の法則」など。 スキナーの強化、弱化の原理は、外形的には、ソーンダイクの「効果の法則」に由来しているように見えるが、本書ではむしろ、以下のように相違点が強調されている。【長谷川による要約、改変】
ということで、効果の法則は、スキナーの強化・弱化ときわめてよく似ているように見えるが、実はムダな概念が多い(この指摘はマッハの主張に基づいている)。かつ、厳密な実験観察を行っていない点もスキナーの批判対象となったと指摘されていた。 スキナーの強化や弱化の原理は、しばしばソーンダイクの効果の法則と混同されている。ABC分析の「C」に相当する結果(環境変化)部分のところに、「楽しい」、「つまらない」、「悲しい」、「辛い」といった内的状態や情緒的な状態を持ち込む入門者がおられるのがその一例である。好子や嫌子、あるいはACTで重視されている価値を探索する際に「楽しいこと」探しをすることは結構なことであるが、「楽しいから行動した」というのではトートロジーに陥ってしまう。「楽しい」という状態がどのような環境要因や強化スケジュールによってもたらされているのかを明確にして初めてABC分析が達成されたと言えよう。 次回に続く。 |