じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 文化科学系総合研究棟(兼・放送大学岡山学習センター)前のマンサクの苗木。放送大学の受講生の方からの寄贈によるものだが、建物の新設工事予定区域の近くにあるため、このままこの場所で生育できるのかどうかは不明。

2017年3月18日(土)



【思ったこと】170318(土)オドノヒュー&ファーガソン『スキナーの心理学』(30)第4章 徹底的行動主義(12)

 3月17日の続き。

 16項目にまとめられているスキナーの哲学についての特徴のうち、13.と14.の
  • 13.Scientists ought to pay close attention to observables and avoid loosely defined theoretical constructs and metaphors. This is part of Skinner's insistence on Mach's dictum of using the most economical description of the facts.
    観察可能なものに注目すべきであり、暖昧な仮説構成体や隠喩を避けるべきである。これは、マッハの、事実についてのむだのない記述という提言に従っている。
  • 14.Scientists should reject inner causes and explanations, particularly mentalistic ones, and should instead look to the environment for the causes of behavior.
    内的原因、内的説明、特に、精神論的説明を拒否すべきである。行動の原因として環境に目を向けるべきである。
という立場は、必ずしも徹底的行動主義だけの特徴とは言えない。13.のところで、マッハの影響に言及されている点に留意する必要がある。

 なお、メタファーについては、行動の説明には使えないが、関係フレーム理論に基づいてセラピーの有用なツールとして多用されている点には留意する必要がある。

 16.の 16.Scientists ought to regard private events as physical and lawful and ought to treat subjective states and events as collateral byproducts of other behavior.
私的な事象も身体事象あるいは法則的事象と見なすべきであり、主観的な状態や事象は行動の副次的産物として扱うべきである。

は、徹底的行動主義と方法論的行動主義を区別する重要な特徴であるとされている。なお、このことに関連して、そもそも「Radical Behaviorism」がいつ頃からどのような形で使われるようになったのかを明らかにしておく必要がある。これについては、

Schneider, S. M., & Morris, E. K. (1987). A History of the Term Radical Behaviorism: From Watson to Skinner. The Behavior Analyst, 10, 27-39.

という文献で詳しく分析されている。

 次回に続く。