じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 4月12日(水)の夕刻、岡山駅周辺を通過したところ、赤、白、ピンクの桃の花が咲いている「ミニ桃源郷」があることに気づいた。岡山市のシンボルの桃太郎と果物の桃にふさわしい風景であるが、通行人からはあまり注目されていないように見えた。実際に果実がとれるのかどうかは微妙。

2017年4月12日(水)



【思ったこと】170412(水)関係フレーム理論をめぐる議論(9)時間的近接がもたらすもの(2)

 4月11日の日記で刺激と刺激、あるいは刺激と反応の時間的近接性について取り上げた。時間的近接性の重要性はスキナーの文献でも強調されている。Skinner(1953)の84頁〜85頁には以下のような記述がある。
Nor need there be any permanent connection between a response and its reinforcement. We made the receipt of food contingent upon the response of our pigeon by arranging a mechanical and electrical connection. Outside the laboratory various physical systems are responsible for contingencies between behavior and its consequences. But these need not, and usually do not, affect the organism in any other way. So far as the organism is concerned, the only important property of the contingency is temporal. The reinforcer simply follows the response. How this is brought about does not matter.
...反応と強化をつなぐ恒久的な結合は、まったくいらない。ハトの反応に対して餌獲得という結果を随伴させるのに必要な結合とは、機械的、電気的な結合だけである。実験室の外では、さまざまな物理的な仕組みが働いて、行動とその結果をつなぐ随伴性を生み出している。しかし、それらが別のかたちで生活体に影響を及ぼす必然性はないし、影響を及ぼさないのが普通である。生活体に関する限り、随伴性の唯一の重要な性質は時間的関係だけだ。強化子が反応に後続する。どういう形で後続しようと、それは問題ではない。【長谷川訳】
この中の「the only important property of the contingency is temporal」という部分に留意しておく必要がある。

 さて、ここでもう一度、2つの刺激AとBが時間的に接近して出現する場合を考えてみよう。2つの刺激がいずれも中性的であった場合(好子でも嫌子でも無条件刺激でもない場合)、この現象は殆ど意味をなさない。見本合わせや条件性弁別がうまくできるのは、これらの刺激についての関係反応が強化されているからである。刺激事象は、常に、接近したり切り離されたりしていて、常に無限に近い接近が生じているが、生活体はその中で、特定の接近に対して、適応に有利になるような関係反応を生起させているのである。何度か述べているように、関係というのは、自然界に厳然と存在しているのではない。生活体によって関係づけられているにすぎない。但し、物理的・形態的特性に依存した関係については、それを関係づけるかどうかは生活体のニーズや受容能力に依存するほか、関係づけの中身についても制約をうける。これに対して「恣意的な関係づけ」のほうは、物理的・形態的特性の制約は受けない。そのかわり、それを強化し続けるような共同体が必要となる。

次回に続く。