じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 昨日に続いて、生協食堂から眺める新緑。今回は、2階北側から眺めるアメリカフウの新緑。アメリカフウは、次の花が咲くギリギリまで、前年の実をつけている。

2017年4月20日(木)



【思ったこと】170420(木)心理パラドックス(2)ラプラスのコイン(2)

 昨日取り上げた問題を少し書き換えて、
2枚のコインがある。コインを投げた時、うち1枚(コインA)は、表が6割、裏が4割、もう1枚(コインB)は、表が4割、裏が6割出ることが分かっているが、コインを見ただけではAとBを見分けることができない。このうち1枚を選んでコインを投げたとき、表が出る確率pはいくらだろうか。
という問題は、AとBのいずれが選ばれるか分からないという条件のもとでは、「分からない=確率1/2」とせざるを得ず、Aが選ばれた時の表が出る条件つき確率とBが選ばれた時の表が出る条件つき確率の和は1/2となる。
  • Aが選ばれて表が出る確率 1/2×6/10=3/10
  • Bが選ばれて表が出る確率 1/2×4/10=2/10
  • これらは排他的な事象なので、いずれかが起こる確率は、3/10+2/10=5/10=1/2
但し、これは1回限りの賭けで当たりとなる確率のことを意味している。このコイン投げを100回繰り返した時に表が出る回数は、コインAが選ばれていた時(常にAを使用する場合)は平均60回、Bが選ばれていた時は平均40回を中心とした二項分布となる。このほか、コインを投げるたびにAとBのいずれかを選ぶ場合は、またまた確率分布が変わってくる。

 いずれにせよ、100回投げて何回表が出るかというクイズになった場合は、確率の値ではなくて、確率分布における推定の問題となり、p=1/2というのは正解にはならない。

 もう1つ、別のクイズとして、
2つの壺がある。そのうち1つの壺には、投げた時に表になる確率が1/2ジャストとなるコインが入っている。もう1つの壺には、表が6割、裏が4割出るようなコインAと、表が4割、裏が6割出るコインBが同数入っている。いずれかの壺からコイン1枚を取り出してコイン投げをする場合、どちらの壺を選ぶか?
という問題もありうるが不確実性の程度はどちらの壺でも変わりない。但し、上記の賭けで表が出れば100円、裏が出た時は0円の当選金が出るものとし、その賭けに参加するか、それとも、確実に50円を受け取るかという選択を求められた場合には、「確実な小報酬と不確実な大報酬のいずれかを選ぶか」という別のクリシンの話題となる。

 次回に続く。