じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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台風一過の10月23日明け方は、久しぶりに晴れ間があり、東南東の空に明けの明星が見えていた。その後、備前富士の右側山麓から日の出となった。 |
【思ったこと】 171023(月)日本行動分析学会第35回年次大会(12)超高齢社会における行動分析学(10)巨視的視点(7) 今回は、昨日も取り上げた、「活動」と目的志向との関係について補足しておく。目的を達成するための行動というのは、言語的に記述された目標(ゴール)が弁別刺激かつ確立操作(動機づけ操作)として機能するルール支配行動であって、人間に特有の行動であると考えられる。この場合、目的志向的な活動にどのような行動を含めるかということは、ある程度まで恣意的に設定されるが、だからといって好き勝手に入れ替えられるわけでもない。 例えば、100歳まで長生きすることを目標として日常生活行動を調整している人の場合、どのような行動が長生きに有効かということは、その人の医学的知識やテレビCM、SNSなどの影響によって変わってくる。そういう点では、特定の健康食品を摂取するかどうかは恣意的に設定されると言ってよいだろう。いっぽう、明らかに非科学的な迷信行動は、当初は「健康増進活動」の中に恣意的に含めることもできるが、いずれ健康に悪影響が生じる中で矛盾が明らかになり、活動から除外せざるを得なくなる。例えば、喫煙は健康に良いと信じ込んでいるは、長生きするために何度もタバコを吸い続けるが、そのうちに肺疾患などさまざまな異状が生じ、禁煙に踏み切らざるを得なくなるだろう。 人間以外の動物でも、一定の方向性を持った活動が観察されることがあるが、これは言語行動が関与していないので目的志向とは言えない。こうした「方向性」は生得的に準備されている場合もあるし、習得的に編成される場合もある。前者は、求愛・繁殖活動、渡りなどがあり、後者は、狩り、縄張り確保、移動などがある。群れで狩りをしたり縄張りを守るための諸行動も、いっけん、組織的な活動であるように見えるが、言語化されたスローガンに基づいて行動しているわけではない。 次回に続く。 |