じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 恒例の岡大イルミネーションの飾り付けが行われているピーチユニオン(南福利施設)。私の記憶が正しければ12月13日(水)に点灯イベントが行われる見込み。
※2006年までの過去記録はこちらにあり。また、昨年の記録が楽天版にあり。


2017年12月12日(火)


【思ったこと】
171212(火)加齢に伴い向上・維持する能力を発掘する(7)高次精神機能の可塑性を支えるもの(1)

 12月11日の続き。

 最後の4番目は、

●高次精神機能の可塑性を支えるもの

という話題提供であった。この発表の趣旨は、STACモデルを参考にして、高齢者の精神機能を「維持」、「向上」させるものは何か、さらにどのような環境が重要なのかを仮説的に提示するというものであった。

 続いて、作業課題への外部環境の妨害要因を検討してみると、若年成人では視覚刺激からの影響が大であるのに対して、高齢者では粗雑な運動や音刺激の妨害による運動抑制の失敗が起こりやすいという実験結果が紹介された【←長谷川の聞き取りによるため不確か】。要するに、ある種の条件のもとでは加齢による衰えは確認できず、場合によっては若年成人を上回る成績を残すことがある。その領域こそが「高齢者の機能の維持・向上」の可能性を示していると言える。

 続いて、STACモデル(The Scaffolding Theory of Aging and Cognition、Parl & Reuter-Lorenz, 2009)が紹介された。これは「大脳を付加的に活性化させて(足場かけ)、機能の低下を補償する」という考え方に基づくようであるが、神経生理学的な機序についてはよく分からないところがあった。もっとも、実際に提唱されている「足場づくりの促進(Scaffolding Enhancement)」の内容は、
  • 新しい知識や技能の獲得
  • 社会的・知的な取り組みへの参加
  • 運動
  • 認知トレーニング
  • (STAC-Rでは)瞑想
となっていて、さまざまな形で提案されている健康寿命延伸のための取り組みとそれほど変わらないように思えた。

 次回に続く。