じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 京都府立植物園で見かけた「敷地内全面禁煙」の掲示。今年(2018年)の2月から、園内の喫煙所を撤去し、正門外に移設したとのことだ。こうした措置は、ニコチン依存者が禁煙を始める動機づけにもなり、まことに結構なことだ。ちなみに、岡山の半田山植物園も原則禁煙だが、温室の裏のほうに1箇所、喫煙所が残されており、また、入口右手のトイレの裏に、職員用と思われる喫煙所が設置されている。こうした喫煙所が廃止されない限りは、どうしても誘惑に負けてしまい、薬物依存症からの脱却をはかることが難しい。

2018年3月16日(金)


【思ったこと】
180316(金)第23回人間行動分析研究会(5)徹底的行動主義とは何だったのか?(1)

 昨日の続き。

 研究会の最後は、私自身の発表であった。今回の発表内容の背景は、日本行動分析学会が企画した『行動分析学事典』において、私自身が「行動分析学の歴史」と「徹底的行動主義」という2つの項目の執筆を拝命したことにある。また、定年退職を迎える教員は、その最後の年に何らかの話題提供をする慣習になっているという。

 そうした記念企画的な趣旨もあったので、発表ではまず、私の卒論(1975年)はハトを被験体としたマッチング(対応法則)の実験であったこと、また卒論引用文献の中には、BuamやRachlinのように今でも論客として活躍しておられる研究者の論文が含まれていること、そのいっぽう、BrownsteinはHayes(S.C.)とともに関係フレーム理論の構築で重要な役割を果たしたが早くしてお亡くなりになったため関係フレーム理論の共著者には含まれていなかったことがHayesの序文に書かれていることなどを紹介させていただいた。また、この人間行動分析研究会では第2回で話題提供させていただいたこと、その時の司会者を務められた桑田氏がその後お亡くなりになったことにも簡単に触れた。

 次に話題提供の概要を以下のように述べた。
  • 『行動分析学事典』の「行動分析学の歴史」と「徹底的行動主義」項目の要点
  • 文脈とは何か?
    • 行動分析学における「文脈」の扱い
    • 習得と遂行は区別するべきか?
  • 巨視的視点の重要性
    • 巨視的視点とは何か?
    • 私的事象(私的出来事)の扱い



 『行動分析学事典』の執筆項目「行動分析学の歴史」では、
  • スキナーに影響を及ぼした研究者として、ベーコン、マッハ、パヴロフ、ソーンダイク、ワトソン、ダーウィンが挙げられること。
  • 主要概念として「オペラント」、「強化随伴性」、「言語行動」、「私的事象(私的出来事)」、「ルール支配行動」、「単一事例法(個体内比較)」が挙げられること。
  • 行動分析学の未来として、Murray Sidman、Sidney Bijou、 Richard Herrnstein、Howard Rachlin、John Staddon、William Timberlake、Steven Hayesらが、スキナーの多大な功績を評価しながらもいくつかの異論を唱えていること、
  • 「巨視的行動主義」と「関係フレーム理論」という新しい流れがあること
などに触れたことを報告した。「スキナー以後」の研究の発展は他にもたくさんあるが、それはまさに『行動分析学事典』全体の内容でもあるので、詳細に触れる必要はなかろうと判断している。

 次回に続く。