じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 180325(日)第23回人間行動分析研究会(12)徹底的行動主義とは何だったのか?(8)巨視的行動主義(1) 3月23日の続き。 「文脈」に続いて、「巨視的行動主義」の話題を取り上げさせていただいた。但し時間が限られているため、今回は論点の紹介程度にとどめさせていただいた。 まずは、巨視的行動主義の推進者、Baumの主張を引用した。
強化の随伴性が1回ごとの「直前条件→行動→結果」ばかりではないという点については、 長谷川(2011)徹底的行動主義の再構成―行動随伴性概念の拡張とその限界を探る― でも「スパイラル型の随伴性」や「随伴性の入れ子構造」といった観点から論じたことがある。 巨視的行動主義と(巨視的視点から捉えた)微視的行動主義について論じた丹野・坂上(2011)では、以下のように論点を整理している。「vs」の前者は微視的行動主義、後者は巨視的行動主義。
上記のうち、「行動の説明の仕方」のところで、動力因と目的因という分類があるが、これらはアリストテレスの四原因説に由来するものと思われる。但し、巨視的行動主義は必ずしも「○○という目的があるから××という行動をする」という説明に依拠しているわけではない。個々の行動は一定の方向性とまとまりをもっており、それらを包括的にラベル付けすることが結果として目的について述べたことになるという見方もある。 もう1つ、「内的変数の組み込み」のところで、「巨視的行動主義は排除も可能」とまとめられていたが、後述するようにBaumは、私的事象を説明因に加えることを徹底的に排除しようとしている。しかし、微視的か巨視的かという分類だけから言えば、関係フレーム理論も巨視的行動主義の1つであり、こちらのほうは私的事象は排除していない。 次回に続く。 |