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9月に入ってから熱帯夜は一度もなく、最高気温も30℃未満の日が続くようになった。先週までは夕刻にアブラゼミの鳴き声が細々と聞こえていたが、今週は秋の虫のみに入れ替わり、空にはトンボが乱舞していた。写真は生協食堂2階から撮影したトンボの群れだが、高速で動き回るためカメラにおさめるのはきわめて困難。 |
【小さな話題】 学校の夏休みは何のためにある? 昨日の日記で、NHK「チコちゃんに叱られる!」第3回に関連して「なぜ年度は4月始まり?」という話題を取り上げた。元のネタは会計年度が中心であったが、学校年度はそう簡単に変更できない事情がある。2011年7月にも東大が大学の入学時期を9月に改める「秋入学」構想を発表したが、その後全面移行は断念した模様である【部分的な秋入学自体は岡大でもすでに実施している】。なおネットで検索したところ、こちらに詳しい解説があった【出典は『知恵蔵2012年版』】 秋入学は、明治時代の欧米をモデルにした大学創立期から40年以上、大正10(1921)年まで実施されていた。国の会計年度に合わせるため、現在の春入学に変わったが、その後も秋入学に戻す案がしばしば浮上している。1980年代には中曽根内閣の臨時教育審議会(1984〜87年設置)で検討され、今世紀に入っても安倍内閣の教育再生会議(2006〜08年設置)で導入が提言された。しかし、制度改変に伴う国の負担増が大きなネックとなり、各大学の独自の判断に委ねられるにとどまった。 学校年度や学期の設定に大きく関わってくるのが夏休みの期間である。そう言えば「チコちゃん」の第18回でも、 ●学校の夏休みは何のためにある? という話題が取り上げられていた。番組の正解は、「学校の夏休みがあるのは、先生が勉強するため」としていたが、これは目的の1つに過ぎない。番組でも言及されていたように、そもそも夏休みができた理由については資料や情報がなく、明確な起源や理由については不明とのことである。 でもって、上記の学校年度や学期との関係であるが、小中高で採用されている3学期制の場合は、夏休みは1学期と2学期を分ける重要な期間であり、夏休みを通じて、
大学の学期も、私が学生の頃は通年で単位を修得するのが基本であり、実質的には3学期制となっていた。しかし、私が大学教員となってしばらく経った頃からは、前期・後期の2学期制に移行された。この2学期制のもとで夏休みの期間を従来通りに7月下旬から8月いっぱいとしてしまうと、9月の授業回数が3回程度になってしまい、曜日によっては2回しか実施できないという問題点が出てきた。しかも最後の1〜2週は期末試験を行うため、実質的には夏休み明けには新たなテーマでまとまった講義ができない。そこで2学期制をとっている大学の中には、前期を4月から8月上旬までに変更し、夏休み期間は、8月中旬から9月いっぱいというように1か月遅らせるところが出てきた。 なお、岡大ではその後4学期制となっているが(←当初は「クォーター制」と呼んでいたが、「クォーター制」の特徴が盛り込まれていないといった批判を受けたせいか、現行では「4学期制」という呼称に変更されている。大学院は2学期制のままのところが多い)、こちらに記されているように、
私が学生の頃とは違って、いまの大学は講義室や演習室にエアコンが完備されており、8月10日まで第2学期を続けても暑さで授業に支障をきたす事態は避けられるようになっている。 なお、私が在職していた時、上記の4学期制で問題になったこととしては、
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