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時計台脇のカイノキ2本の紅葉が始まっている。いずれもメス樹であり、種(果実)とその周りの葉っぱがオレンジ色に染まっている。葉っぱ全体の紅葉は11月下旬が見頃であり【例えばこちらやこちら】、いま見られているのは「ニセ紅葉」と呼ぶべきかもしれない。 |
【連載】 日本語と英語の違いをめぐる議論(8)形と大きさ 昨日の続き。まずは、以下のような図形の中から1つを選ぶ場面を考えてみよう。但し、指さしではなく、言葉だけで表明するものとする。 ○ △ □ ○ △ □ この場合、形に関する名詞「丸、三角、四角」と、大きさに関する形容詞「小さい、大きい」を組み合わせて使うのが一般的であろう。例えば「大きい三角を選びます」と言えば、左から5番目が選ばれることになる。 もっとも、「形の特徴が名詞で大きさが形容詞」が常に成り立つわけではない。上掲の形が具体的な事物である場合、例えば、小さいほうの図形がボタンで、大きい方の図形がカードであったとすれば、「丸いボタン」とか「四角いカード」というように形のほうを形容詞にする場合もある。但し、日本語では形容詞として存在する形の特徴は「丸い」「四角い」などに限られているため、多くの場合は形の特徴に関する名詞に格助詞の「の」をつける。上記で言えば「三角」は「三角い」という形容詞が存在しないため、「三角の」と表現せざるをえない。この格助詞は「あとに来る言葉が表わす内容や状態・性質などについて限定を加えることを表わす」【新明解】。但し、「三角帽子」というように熟語化して特定する場合もある。 会話には、聞き手に新しい情報を伝えるばかりでなく、聞き手と情報を共有し共感する場面がある。この場合は、文脈が共有されているため、形容詞だけの会話が通用する。例えば、動物園で象を見ているとする。
同じ「長い」でも、ニシキヘビを見ている場面で発話されれば「体が長い」という意味になるし、食堂で並んでいる人が多ければ「行列が長い」という意味になる。 不定期ながら次回に続く。 |