じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 9月21日の楽天版に「アンデスの乙女(ハナセンナの仲間)」の花びらの絨毯の写真を掲載したが、その翌日にはさらに落花が進み、より鮮やかな色になっていた。

2018年9月21日(土)



【小さな話題】

 
又吉直樹のヘウレーカ:地球外生命の可能性

 昨日に続いて、又吉直樹のヘウレーカの話題。今回は、7月25日初回放送の

第13回「星空の向こうに出会いはありますか?」

についての感想。

 この番組の初めのあたりでは、ある時期、地球外生命というテーマは若手研究者にとってはタブー視されていた。そんなことに興味を持つヒマがあったら、もっと確実性の高いテーマで論文をたくさん書いておけということのようだ。

 その後、1995年10月にペガスス座51番星に惑星が発見され、地球外生命体への関心が一気に高まった。その際に重要な教訓は、「そんなことあり得ない」という固定観念があると、観測事実に対しても自由な発想ができなくなってしまうことだ。当該の惑星の場合は、公転速度がきわめて速く(わずか4日で一周)、また中心の恒星との距離が地球・太陽間の1/20というきわめて近い距離にあることが確認されていた。その後、惑星の発見ラッシュがおこり、今では銀河系の恒星の半分以上は惑星が回っていることが確実視されているという。

 番組の中程では、哲学堂公園の中で、妖怪のような迷信を否定していた井上円了が「当時の科学では解明できない宇宙万物の心理に通じる“真怪”が存在する」という可能性を残した見解に達し妖怪博士と呼ばれるようになったこと、また「自説を変更してこそ科学の進歩がある」という科学者としての基本的態度が強調されていた。また地球外生命の存在が確認された場合にそれが人生観、世界観にどういうインパクトを与えるのかについても語られた。

 番組の後半では東工大・地球生命研究所に舞台を移し、生命科学の最先端の研究の一端が紹介された。このWeb日記でも何度か取り上げているが、生命の研究というのは、きわめて微小な分子レベルの研究と、銀河系のような宇宙規模の研究が融合しているという点がまことに興味深い。

 後半の中で特に興味深かったのはウイルスの存在である。地球上のウイルスは微生物の100倍多く、全部繋げると銀河系の100倍の長さになるという。その殆どは微生物に感染するウイルスであり人間にとっては無害。また、地球上の生物は共通祖先を持っているのに対して、ウイルスは共通のルールの外にいるという。

 番組ではもう1つ、深海で発見された「地球を食べる生態系」(惑星の化学物質のエネルギーに依存)が紹介された。このような生物は、光合成に依存していない点で恒星との距離にかかわらず棲息できる可能性がある。土星の衛星エンケラドスはその候補の1つになっているという。

 以上が番組の概要であるが、私自身は地球外生命の存在については楽観的であり、私の余命期間にもその第一報が届くのではないかと期待を寄せている。もっとも、発見される生命体は微生物レベルであって、人類とコミュニケーションをとれるような高等生物、いわゆる「宇宙人」については否定的である。仮に高等生物が存在していたとしても、好奇心だけで他の宇宙人と交流するとは思えない。また生物が高等であればあるほど、内部的な力の均衡が破れて自己破滅してしまうリスクも高い。どこぞの宇宙人が地球にやってきた時にはすでに地球上の人類は絶滅していたという可能性のほうが高いように思う。