Copyright(C)長谷川芳典 |
12月28日(金)は妻の実家に帰省した孫たちを連れて近隣の到津の森公園へ行ってきた。写真はトラとライオン。どちらもメス。ライオンのオス「キング」は11月に死亡し、「おひとりさま」になってしまった。北九州市内では高齢化が進み、人間の「おひとりさま」(大部分は女性)も増えている。 |
【連載】 関係反応と関係フレームをどう説明するか(11)「関係反応」と「関係」(2) 12月28日の続き。なお、この日記は当日執筆・公開後、誤って上書きで消してしまったため、記憶に基づいて書き直しをした。その際一部を加筆修正している。 前回も述べたように、「関係反応」とか「関係づける」というのは、初めに「関係ありき」」ではない。自然界の事物はさまざまな形で相互に関係しているが(相互干渉、捕食、闘争、協力、...)、そうした「関係」を「認知」した上で反応するのが「関係反応」というわけではない。 関係フレーム理論の正典(カバーが紫色をしているのでパープルブックと呼ばれているらしい)『Relational frame theory: A post-Skinnerian account of human language and cognition』(Hayes, Barnes-Holmes, & Roche, 2001)では、「関係づける」は以下のように定義されている。 「関係づける(relating)」とは、ある事象に対して別の事象の観点から反応することである。ここで少々脱線するが、「ある事象(one event)」とか「別の事象(another)」というのは、人間がこの世界を都合のよいように切り分けた結果である。世界そのものは人類が滅亡しても何らかの形で存在し続けるであろうが、その世界をどう切り分けるのかは人間側の反応の仕方によって決まる。例えば、「晴れ」とか「雨」という事象は、ある地域において連続する気象変化を一定の基準のもとに切り分けたものである。そのように切り分けることが、農耕や洗濯、外出などに都合がよいからそうしているのであって、一年中雨の降らない砂漠地帯では別のカテゴリーで気象変化を切り分ける。またた雪の多い北極圏地方では、雪の降り方を何種類かに切り分けていると聞く。 この世界をさまざまなモノや事象として切り分けられるのは、地球環境のもとで、何らかの事物が比較的安定して存在し、再現可能な形で操作できるからである。それゆえ、どの地域の言語でも
さて、このWeb日記や紀要論文: 長谷川(2017)スキナー以後の心理学(25) : 「関係反応」概念をめぐる議論 で論じているように、「2つの刺激の組み合わせに対する固有の反応」と、「2つの刺激の相対的特徴に対応して生じる反応」は区別しておく必要がある。前者は普通、複合刺激に対する反応として扱われ、後者のほうが「関係反応」と呼ばれている。 前者の例としては、例えば、
不定期ながら次回に続く。 |